28-3 ページ46
「真緒！！！！」
四人が目を見開くのが見え、手前にいたロンとジニーの手が伸びてきた。
真緒は手を伸ばしたが、ロンの指先を掠めるに留まり、自分の身体が階段から宙に浮くのが分かった。
全てがスローモーションに見えた。
落ちる。
目を閉じた真緒の肩や腰、全身に痛みが走る。
転がり落ちた身体は、階段の踊り場に叩きつけられる前に誰かが抱き締めて、その最後の衝撃は思った以上に少ないものになった。
「真緒！！！」
ジニーの声が遠くで聞こえる。
「っ…大丈夫…？」
「ぁ、はい…あの、ありがとうございます」
真緒は誰かの腕にしっかりと抱き締められていた。
身体の節々をぶつけたが、何とか大丈夫そうだ。
爽やかな香りに包まれながら、上を見上げた。
「あの…大丈夫、ですか…？」
見覚えのあるハンサムな顔に、誰だったかと記憶を巡らせる。
「君よりは低い位置だからね、一緒に、医務室に行こう。僕はセドリック・ディゴリー」
そう言ったセドリックは、真緒を横抱きにして、騒然としている生徒達の群れを歩き出した。
「あっ、真緒・土御門です、あの、歩けます！私は大丈夫、セドリック」
「気も動転してるだろうし運ぶよ、ちゃんと医務室に連れて行くから安心して」
自分よりもセドリックの方が身体を痛めてるんじゃないだろうかと心配になりながらも、未だに鼓動は早いままだった。
「…ありがとう」
セドリックは何も言わずに真緒を医務室へと連れて行った。
ジニー達はついてきていないようで、もしや突き飛ばしたであろうスリザリン生に喧嘩をふっかけているのではないかと真緒は少し不安になった。
「何事ですか」
「彼女が階段から落ちてしまって、最後の数段のところは僕が受け止めたのですが、怪我をしています」
簡潔に説明したセドリックにマダムポンフリーは「分かりました」と言って、てきぱきと治療を始めた。
「打撲と擦り傷ですね、頭を踊り場で打ち付けていなかったのは幸いです。ディゴリー、貴方も診ましょう」
セドリックの診察も終わった頃に、ばたばたと足音がしてジニー達が顔を覗かせた。
「真緒！大丈夫？」
「夕飯持ってきたよ」
「君を突き飛ばした生徒が誰かまでは分からなかったんだけど、あのスリザリンの集団から大量減点は出来た」
ロンが嬉しそうに報告してきたところに、「真緒、お大事にね」とセドリックがカーテンから顔を覗かせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます！ (2022年3月23日 17時) (
レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます！意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります！ (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃマルフォイカッコいいです！応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M.S | 作成日時：2020年1月16日 23時
