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「真緒に贈られてたバレンタインカードだって」
「水の中に入れると薔薇になるらしい」
「女子ってああいう贈り物がお好みみたいだ」
ネビル達が口々に答えると、ハリーは「そうみたいだね」と苦笑いして言って、周囲を見渡した。
そしてドラコとぱちりと目が合う。
ハリーに馬鹿にした笑みを送って、ドラコは隣の男子生徒と話し出した。
「誰からか全然言わないんだよ」
「言ったら揶揄われると思ったんじゃないかな」
(何せ相手はマルフォイなんだから…)
先程ハリーと目が合うまで向けられていた真緒への視線が何よりの証拠だ。
(見たくなかった、マルフォイの優しい目なんかーー…)
ハリーはぶるりと身震いして、席に着いた。
「ねえハリー、どう？似合う？」
夕食を早々に終えたらしい真緒は薔薇の飾りを髪につけており、ハリーの目の前でくるりと回った。
「うん、可愛いね」
「本当？」
「けどーーー」
真緒にちょいちょいと手招きをして耳元で囁く。
「あんまり喜んでたら、またマルフォイが調子に乗るんじゃないかな」
ハリーの言葉で、一瞬にして真っ赤になった真緒が、二、三歩後退した。
「なっ、何でーー」
「ん？」
真緒は弾かれたようにジニーの隣へと走った。
鋭い視線を感じてそちらを見ると、アイスグレーがハリーを睨みつけている。
ハリーは思わずにやりと、先程ドラコに向けられた笑みを返して、目の前のチキンに向き合った。
＊
女子寮に戻った真緒は、ドラコにお礼の手紙を書こうと羊皮紙を用意した。
書きながら、ふとジニーのベッドのほうへと視線を向けると、久しく見ていなかった日記を見つけた。
(再開したのかな…)
書き終えた真緒は、こっそりと梟小屋へと向かった。
学校の梟に手紙を結びつけ、「スリザリンのドラコ・マルフォイ宛よ」と頭を指で撫でた。
怪物の被害が収まったとはいえ、消灯時間間際となると人気もない。
長い廊下を歩きながら、誰かと来たら良かったと後悔しつつ、残り半分ほどまで来たところで、シューッという聞き慣れない音で思わず立ち止まった。
(何か、いるーー…)
ずるずるという音。
たっと駆け出した真緒だが、音はすぐ近くまで迫っている。
(もしかして、怪物ーーー…？)
怖くて振り向けなかった真緒は、ふと目の前の窓硝子をゆっくりと見た。
暗闇に映ったのは、恐怖に染まった自身の泣き顔。
そして、黄色い目。
その瞬間、完全に世界が遮断された。
fin.14
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エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます！ (2022年3月23日 17時) (
レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます！意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります！ (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃマルフォイカッコいいです！応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M.S | 作成日時：2020年1月16日 23時
