22-2 ページ28
グリフィンドール生の中に、髪をおろしたあどけない顔に不安の色を浮かべた真緒をドラコは発見した。
ローブの内側から羊皮紙を取り出したドラコは短い文を書いて杖を振って真緒へと飛ばした。
�猝斉�15時、中庭。 Draco.M��
＊
翌日、果たし状のようなドラコの手紙通りにやって来た真緒は寒そうに手を袖に隠している。
確かに吹き抜ける風はかなり強いが、ドラコは、日本がよほど暖かいのか、真緒の寒がりが異常なのかのどちらかとしか思えなかった。
シャツの上に着たベストからローブを羽織っただけのドラコに対して、真緒は分厚いセーターを着てローブを着て、耳当てをしている。
「寒いんだけど、どうして中庭なの？」
「だったらもう少し寄れば良いだろ」
「お断りよ、またスリザリンの中で新しい噂をされるんでしょ」
城の壁にもたれる真緒が怪訝な顔で言った時に、二人の間を風が吹き抜けた。
大きく震える真緒を見ていると何だか可哀想だったので「羽織れ」と言ってドラコは自身のローブを差し出す。
ついでに風上に立ってやるが、真緒は受け取らずに突き返して来た。
「いらない、ドラコが寒くなるでしょ」
「どうせ着れないんだ」
「肩にかけてるだけでも温かいでしょ」
少しの押し問答の後、ドラコの肩に収まったローブをほっとしたように見た真緒が「何の用？」と尋ねた。
ドラコがローブから赤いリボンのかけられた黄色い包みを取り出すと、真緒は目を大きく見開いた。
「これ、ホグズミードの？」
きらきらと瞳が輝く。
「欲しいのか？真緒がどうしても欲しーー」
「くれるの？欲しい！やったぁ、ありがとう！」
「…君は時々、クラッブやゴイル並みに単細胞だね」
ドラコの皮肉も聞こえないほど、真緒は嬉しそうだ。
「お菓子にして正解だったようだねえ」
「え？」
「色気より食い気だろ？真緒は。髪型もいつも同じだしね」
ドラコがそういうと、真緒はムッとした顔で「気に入ってるから良いの」と反論した。
「ま、食べ過ぎて太らないようにするんだねえ」
最後ににこやかに嫌味を言ったドラコは、城から出てきたクラッブとゴイルを率いて真緒の元から立ち去った。
「パーキンソンが、探してた」
「またか」
ゴイルの言葉にドラコはあきあきとしながら呟いた。
残された真緒は「何よあれ…」と顔をしかめて呟いていた。
(身なりに気を使えって言いたいわけ…？)
fin.22
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます！ (2022年3月23日 17時) (
レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます！意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります！ (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃマルフォイカッコいいです！応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M.S | 作成日時：2020年1月16日 23時
