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「何だか寒くない？」
「ああーー…着ていろ」
肩に無造作にかけられたのはドラコのジャケットだった。
天気が崩れているのに気付いてからあっという間に、外は暗くなっていた。
それに、汽車の速度もゆるやかになってーーーついに止まってしまった。
「もう着くの？」
「いや、そんなはずはない」
ドラコが立ち上がり扉から通路の様子を伺う。
「ねぇ、ドラコーー外に何かいる…」
「…まさか。そんなはずはーー」
「えっ！ねえ、待って、何処に行くの？」
立ち上がっている目の前の裾を真緒は咄嗟に掴み、ドラコは驚いた顔で一つ年下の少女を見下ろした。
自分のジャケットを小さな肩に掛けて、シャツの裾を掴んで見上げてくる真緒の様子は、ドラコの庇護欲を酷くかきたてた。
「いいか？コンパートメントから出るんじゃないぞ」
ドラコは言い聞かせるように言って、裾を掴む指先を顎でさした。
その小さな手を振り払うことも、優しく包むことも、出来そうになかったからだ。
真緒はハッとして「ごめん」と言いながら、シャツから手を離して椅子に座りなおした。
(何だか凄く寒いーーー…)
ドラコが出て行ってから数分と経たずに、汽車は急停車して、更に一斉に停電した。
「何だ何だ」
「お菓子が拾えない」
「見えない」
急停車で手からこぼれ落ちたお菓子の心配ばかりのクラッブとゴイルは頼りにならない。
真緒は通路に顔を出して、様子を伺った。
周囲の生徒達も同じようなことをしているらしく、騒がしい声が暗闇に響いていた。
その時、悲鳴が聞こえてきた。
前の方の通路からで、それからすぐあとにドラコの悲鳴も聞こえてきた。
「ドラコ？大丈夫？」
「真緒か？馬鹿、出てくるなって言っただろーーーっ、うわぁぁっ！」
ドラコが更に悲鳴を上げ、真緒の周辺でも躓いたり、転ぶ生徒達の中、通路に出ていた真緒も誰かとぶつかって、転んでしまった。
そしてコンパートメントへ戻ろうと上体を起こしたところに、凄まじい冷気が全身を襲った。
「…っ…！」
吸魂鬼だった。
(逃げないとーーー)
すぐ近くまで来ている吸魂鬼を凝視したまま、真緒は動けなかった。
だが、真緒のすぐ後ろのコンパートメントの開いた扉から聞き覚えのある声がして、か細い声を絞り出した。
「…フレッド？ジョージ？」
「真緒か？」
杖の小さな光が灯り、真緒を捉えると、二本の腕がしっかりと中に引きずり込んでぴしゃりと扉を閉めた。
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エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます！ (2022年3月23日 17時) (
レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます！意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります！ (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃマルフォイカッコいいです！応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M.S | 作成日時：2020年1月16日 23時
