18-1:黒い影と黒い靄 ページ13
新学期初日の朝は、パーシーの怒鳴り声で目が覚めた。
どうやらロンがパーシーの彼女の写真に紅茶をこぼしたらしい。
真緒は緩慢な動作で支度をしながら、髪を一つにくくった。
下に降りると、アーサーや父親達は何やら深刻な顔で新聞を見ながら話しているようなので、真緒はジニー達の方へ向かって朝食をとる。
「真緒、食べた？もう行くわよ」
「はぁい！じゃあまた、後でね」
ジニー達に手を振って、真緒達は電車でキングズ・クロス駅へ向かった。
キングズ・クロス駅の9と3/4番線は、出発まで30分以上あるにも関わらず沢山の人がいた。
真紅の車体、白い煙、カートを押す子と見送る親も全てが懐かしく、思わず真緒は立ち止まった。
しかしすぐに、先を歩く両親にハッと気づいて、真緒はカートを押した、その時だった。
「やあ、真緒。遅かったじゃないか」
突然視界の片隅にいた男子生徒に声を掛けられた。
それがドラコだと気付くには僅かに時間がかかった。
プラチナブロンドは、オールバックではなく前髪が目元近くまでおろされた状態で随分雰囲気が大人びている。
ごつごつした指輪も、伸びた身長も、昨年と違って見えた。
「どうした、ぼけっとして」
「ドっーーー…そっちこそ、どうしてこんなところで立ってるの？」
危うく名前を呼びそうになるが、父の後ろ姿が目に入って何とか留まる。
「どうしてってーー席を取っててやったんだ、行くぞ」
当たり前のように真緒の荷物を取ったドラコが歩き出し、それに気づいた両親がーー正しくは父親が二人に歩み寄った。
「君が、ドラコ・マルフォイ？」
「ええ、そうです」
真緒は天を仰いだ。
父親は上から下までドラコを見て、「娘が世話になってるようで」と言う。
「まあ、そうですね」
「純血主義だとか？」
「ええ、当然」
「なるほど、そのようだ」
父親の口ぶりが友好的でないと気付いたドラコが真緒に「何か言ったのか？」と片眉を上げて尋ねた。
「私は、別に…何も」
「だったら何でーー」
「君のことは、お節介で嫌味で卑怯な勘違い野郎だと聞いている。おまけに、私の娘にちょっかいをかけているとか」
「は？」
ドラコが顔をしかめたのを見て、真緒は慌てて「これは、違うの！後半は皆が勝手にーー」と言いかけた。
「じゃあ真緒が言った内容もあるんじゃないか！」
ドラコが怒った顔でそう言ったところで、背の高いプラチナブロンドが静かに割り込んだ。
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エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます！ (2022年3月23日 17時) (
レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます！意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります！ (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃマルフォイカッコいいです！応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M.S | 作成日時：2020年1月16日 23時
