プラチナの王子様 (ページ46)

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11-1:喧嘩ページ46

クリスマスにハーマイオニーが医務室に行ったきりで帰ってこないというニュースは、人の少ないホグワーツで一瞬に広まった。

とりわけ、ジニーのショックの受けようは大きく真緒は何とか落ち着かせようと言葉をかけたが、どれもあまり効果を成していないようだった。

＊

「やあ真緒、君から話しかけてくるなんて珍しいじゃないか」

先日のクリスマスディナーの後、真緒はご機嫌なドラコに話しかけた。

朝に、黒の上品な箱から出て来たのは白い毛皮の高そうなマフラーの送り主は〝Draco.M〟。

最初にマフラーを見たせいで、上級生から借りたカタログでお菓子の詰め合わせを送っていた真緒は、お菓子では安すぎるのかと不安になった。
しかし周囲の1年生は似たようなもので、上級生でも本や雑貨だった。
(やっぱり、ドラコは貴族なんだ…)

それともスリザリンは皆お金持ちなのだろうかーー

「新しいマフラーがすぐ来るって、ドラコが贈るからだったのね」

真新しいマフラーをつけた真緒がドラコに黒のマフラーを手渡す。

「気に入ってくれたようだね」と満足げにマフラーをつけた真緒をじろじろと見て、黒のマフラーをその場でつけたドラコ。

「私、そのーー貴方にお菓子を贈ったわ」

「ああ、朝見た。それがどうした？」

ドラコは不思議そうに真緒に首をかしげる。

「このマフラーとお菓子とじゃ…なんて言うか、対等じゃないわ」
「対等？真緒と僕が？」
「ちょっと、何で疑問形なのよ」

真緒がいらっとした声を出すと「君は年下だ」とドラコが返してきた。

「そうじゃなくて、余りにも金額が違うじゃない」
「そんなことか。構わないよ、僕の家はお金には困ってないからねぇ」

ドラコは気障ったらしくそう言って、プラチナの髪を撫でた。
その態度に真緒は顔を引きつらせたが、貰ったのは事実なのでお礼を言って帰ろうとする。

「ちょっと待て、見せたいものがあるから待ってろ」

…………
………
……

結局、見せたいものは分からずじまいだった。
パーシーと寮に戻るとジニーはいないし、漸く見つけたら今度はハーマイオニーが医務室に運び込まれたという。
その上翌日から、ハリーとロンの態度が妙なものに変わった。

「やあ！調子は大丈夫かい？」
「ロン、貴方こそ大丈夫？今日この会話六回目だけど」

ロンは一日に何度も調子はどうかと聞いてきて、ハリーは意味深な目で見つめてくる。

「私、貴方に何かした？」