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「僕の許可なく真緒と話すなって言っただろ」
「あ、あぁ、うん」
「そうだった」
何とか返事をして、思わずロンを見た。
ロンもハリーを見ていた。
これは良いネタを掴んだという目をしているのがクラッブ越しに分かった。
「マルフォイは真緒が好きなんだ」
「は?」
興奮した様子のロンの言葉で、ドラコの白い頰が染まっていく。
「取り消せ!」
怒りなのか恥ずかしさなのか見当もつかないが、相当な剣幕だ。
「クラッブ!聞いているのか?今すぐ取り消さないとただじゃおかないぞ」
「とっ取り消す」
「ゴイル!お前もそんな風に思ってるんじゃないだろうな?」
「思ってない」
(まずい、このままマルフォイの機嫌を損ねたら秘密の部屋について聞けずじまいになるーー)
焦ったハリーは、咄嗟に「名前の順番を間違えた」と口走った。
「何だって?」
「マルフォイと真緒が逆だ」
(もし仮に、僕がスリザリンのーーパーキンソンが好きだとかいうことにされたら…)
恐らく怒りのあまり当分授業には出られないだろう。
「真緒が僕のことを好きだと言いたいのか?」
「マルフォイを、探してた」
ハリーの言葉にクラッブが心なしか青い顔で何度も頷く。
きっとハリーと同じく、良心の呵責に苛まれているに違いなかった。
爐修譴和圓辰討蹐辰童世辰燭らだ瓩醗貊海気譴討海力誕蠅禄わるに違いない、と思いながらハリーは言ったのだが、その予想は見事に裏切られる。
「お前達も気づいたかーーーそう、真緒は僕が、好きだろうな」
その言い方が余りにも自信満々でハリーの口があんぐりとあいた。
向かいではごふっという音を立ててクラッブが咽せている。
「可笑しいか?」
「ゔっ、ん、ちょっと、咽せただけだ」
苦しそうなクラッブの顔は真っ赤で、恐らく笑いを堪えてるに違いない。
そりゃ、可笑しいに決まってる。
女の子にかけて、こんなにも自信過剰な人物を見たことがない。
「真緒に、何か言われたのか?」と嬉々としたロンが尋ねる。
「この前、真緒が図書館で事件について調べようと本をーーー」
「秘密の部屋のことか?君は、誰が裏で糸を引いてるか知ってるんだろう」
ロンが悪ノリをするところを何とか当初の目的へと話題転換したハリーは食い入るようにドラコを見た。
「だから知らない。何度も言わせるな」
苛立ったようにドラコは答えたが、それから知りうる限り秘密の部屋について話し出した。
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作者名:M.S | 作成日時:2019年10月13日 11時