プラチナの王子様 (ページ32)

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だがコリンはへっちゃらのようで、くりくりとした瞳を真緒に向けて、「じゃあ行こっか！」と言った。
今度は真緒の手を取ることはせずに、コリンが歩き出す。

「じゃあね」

真緒はその後を追い掛ける。

「あ！」
「え？コリン？」

コリンはにっこりと真緒に笑いかけて、事もあろうにドラコへと駆け寄って行った。
そして何かを押し付ける。

「これ、とっても良く撮れたから、あげるよ！」
「は？」

怪訝な顔をしたドラコは突き返そうとするが、コリンはそれよりも早く真緒に走り寄る。
「おい！」という声がするが、コリンは真緒に「行こう！」と言って手を引っ張り走り出した。

「おい！だから手を離せってば！」

ドラコの声は無視された。
(一体何なんだーー…！)

呪いの類いか？と警戒しつつ、渡された紙切れをめくってみた。

そこに写っていたのは、満面の笑顔の真緒と彼女の周りを舞う白い羽根。
授業中らしく、後ろには小さくフリットウィック先生が写り込んでおり、他の生徒が杖を持っている。
(浮遊呪文の練習か…？)

それにしても、まるでそれは天使のようで、

「ーー…何なんだよ、あのチビ」

(僕は写真が欲しいなんて言ってない、勝手に押し付けてきたんだ…)

ドラコは無邪気な写真家に、心の中で毒を吐く。
そして酷く丁寧に、その写真を内ポケットへしまい込んだ。

＊

そして開幕戦の朝。
真緒はジニーと共に朝食へと降りると、ピリピリした様子の選手達が目に飛び込んだ。

少し遠巻きにして二人は席に着いて朝食のマーマレードパイを手に取る。

十一時を前に、ジニーやコリンと移動していると、見覚えのある深緑のユニフォームの集団が目に入る。
ドラコが悠々と更衣室へ入っていくのを真緒は見送って、競技場へと着いた。

(何だか妙に蒸し暑いーーー…)
何とも嫌な予感を抱えつつ、試合が始まった。

「ねえ、可笑しいわ、あのブラッジャー」
「確かに変ね…ハリーばかり狙ってる」

ジニーと二人でそう言っていると、すぐ近くのロンが息巻いて「止めてやる」と言っているのが聞こえた。

「駄目よ、あんなに速いんだからーーハリーに当たるかもしれないわ」

ハーマイオニーの言葉は最もで、ハリーは猛スピードで逃げていた。
そして、ビーターの二人はハリーに付きっきりだ。

「六十対十！」

「これじゃあ試合になんないわ！」

スリザリンのリードが続く中、タイムアウトが取られた。

#今試合は映画寄り