生まれ変わったかと思いきや食用児で草も生えん【銀魂】【約ネバ】

35 ページ39

ーNo sideー



突如告げられたノーマンとAの出荷


子供達が驚きで固まる中、


イザベラは不敵に微笑む



イ「貴方にとっては喜ばしい話よA


上から直々に判断を下されたの


貴方には是非ママになってほしいとの事よ」


『…どうして？それはママの推薦があっての話でしょ？


なのに上から直々になんておかしい』


イ「えぇ、本来はね


今回ばかりは特別よ」



上から直々に判断を下した


つまり言い換えれば「命令」


逆らえばそれこそ生き残る道を自ら逃す事になる


どうするつもりなのかエマ達は黙ってAを見つめる


しばらく無言で俯いていたAは肩を震わせていた


自分が出荷されると分かったから怯えてるんだ


誰もがそう思った



『ふっ………うふふ…………』



しかしその直後全員目を見開いた



『あははははははっ！！』



甲高い笑い声


無邪気な笑顔


そして顔を上げた際に露になる酷く冷たい表情


口角が上がっているのとは対照的に鋭利な刃物のような冷めきった目に狂気さえも感じた



『だから何？


はいそうですかと認めるとでも思ったの？』



無表情になったAは目を細めイザベラへと向く


いつもの優しい笑顔ではない


いつもの温かな声色ではない



『そんな立場を利用しまくったちんけなお願いで易々と従うと思ったら大間違いよ


私は何でも素直に言う事を聞く子供じゃないの』



ドスのきいた低い声


戦慄を覚えるような瞳


次の瞬間少女は瞳孔を開き笑った



『大人しく従わなかったら殺すのかしら？


上等よ、掛かってきなさい


子供を見殺しにするろくでもない大人なんて此方から願い下げよ』



イザベラは目の前にいる少女に威圧されていた


前に感じたあの威圧感はやっぱり気のせいじゃなかった


私が子供達の前で偽りの笑顔を取り繕っていたように、


この子も「優しいお姉ちゃん」を演じていたのだとイザベラは思った



『上の人達にそう伝えといてねママ


てことで一抜けまーす！』



明るい彼女に戻った事に誰もが戸惑いを隠せず呆然と彼女を見ていた



「あれ〜？A、エマ達と一緒じゃないの？」


『大変なの、エマが足を怪我して…


今ママがエマを抱えて運んでる』


「えー！！そうなの！？」


「エマ…大丈夫かなぁ……」


『………』



何も知らない子供達がエマを心配する中Aは一人ハウスの中へと戻っていった


その足先は寝室へと向かっていた

36→←番外編2【結局は皆おっ○い好きだよねって話】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す