生まれ変わったかと思いきや食用児で草も生えん【銀魂】【約ネバ】

12 ページ14

ー沖田sideー



Aが死んでから２年が経った


現在俺は20歳、晴れて立派な大人だ


本来なら成人したあいつと酒を飲み交わせたかもしれない


正直俺は18歳の時でも酒を飲んでたけどあいつはクソ真面目にも



『お酒は大人になってからのお楽しみに取っとく』



と言って宴会でも一人だけジュースを飲んでいた


なぁ、天国(そっち)でも楽しくやってるか？


尋ねたところで返事が返ってくるはずもない


なのに、どうして



沖「！？お前は」



突然目の前に現れたA


しかし彼女は何故か子供の頃の容姿で


幼い頃に着ていた着物ではなく白い服を着用し首には謎の番号が記されていた


そうか、これは夢


…夢でも久々にお前に会えて嬉しい


すると何処からか同じ服を着た子供が三人現れてその向こうには黒い衣服にエプロンをした女がいた


Aはオレンジ色の髪をしたガキに手を引かれ呆然とする俺に手を振りその場から立ち去った



沖「！待って下せェ」



A達を追い掛けていると再び姿を消した


辺りは暗闇に包まれる


流石夢、何でもアリだねィ




ﾄﾞｻｯ




背後で何かが落ちた音がして振り返る


足元にあったのは…



沖「っ！！」



真っ赤な花が胸に刺さり目を閉じているAだった


まるで眠っているだけのようだが


血色のない肌に彼女に触れた時に感じた冷たさで死んでいる事が嫌でも分かった



沖「おいA！


しっかりしろ！A！！」



何度呼び掛けても彼女の目が開く事はない


そして何処からか感じる嫌な気配



沖「！食器…？」



いつの間にかAは皿の上に乗せられ


周りには銀食器が並べられていた


そして目の前に現れた巨大な“何か”


そいつは隣にあったフォークを持ち


矛先をAへと向けた


やめろ


倒れているAを奴から引き離したくても身体が動かない


金縛りってやつかィ、腹立たしい


動けない俺の目の前で化け物はAに食らい付いた



沖「っ！！


はぁ………はぁ……」



目が覚めるとそこは自分の部屋


額から汗が何粒も伝い落ちた



沖「はぁ………趣味の悪ィ夢だ」



もしかしたらあいつは、生まれ変われてるとしてもまた窮地に立たされてんのか


俺があの時もっと早くAを止めに行ってたら


あいつが死ぬ事も、夢であんな目に合う事もなかったんじゃないか


神様頼みまさァ、今度こそあいつを幸せに


普通に長生きさせておくんなせェ

13→←11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す