捻れたセカイの歌姫【ツイステ】【プロセカ】

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『あ、あんたはさっきの狸…！


何でここにいるの？』


グ「だからグリム様だ！！


何度も言わせんじゃねぇ！」


『で、何しに来たの？』


グ「んな興味なさそうな顔すんな！


…ふ、ふんっ！オレ様の手にかかればもう一度学校に忍び込むことくらいチョロいチョロい


ちょっと外に放り出した位でオレ様が入学を諦めると思ったら大間違いなんだゾ！」


『凄い執念…何でそんなにこの学校に入りたいの？』


グ「単純な話なんだゾ！


オレ様が大魔法士になるべくして生を受けた天才だからなんだゾ！」



…え、それだけ？


単純通り越して最早バカというか司の自信過剰よりも酷い



グ「いつか黒い馬車が迎えに来るのをオレ様はずっとずっと待ってた


なのに……なのに……」


『ちょ、ちょっと大丈夫？』



徐々に涙目になっていくグリムに思わず声を掛けてしまう


ただのお騒がせ馬鹿狸かと思いきやそこまで本気だったなんて…


理由はどうであれ、それがグリムの夢だったのなら悪く思ってた私にも非はある



グ「ふ、ふん！闇の鏡も見る目がねーんだゾ


だからオレ様から来てやったってわけだ


オレ様を入学させないなんてこの世界の損失だってのに、ニンゲンどもは分かってねーんだゾ」


『経緯は大体分かったけど


不法侵入はいくら何でも駄目だからね


入学する前に捕まっちゃっても良いの？』


グ「ぬぐぐっ！それは……


に”ゃッ！つめてっ！


天井から雨漏りしてやがるんだゾ！」


『結構雨漏りしてる箇所が多いしバケツ持ってこようかな』


グ「こんな雨漏り、魔法でパパーっと直しちまえばいいんだゾ


……って、オマエ魔法使えねぇのか


ププーッ！使えねぇヤツだゾ！」



は？？


人がせっかく慰めてあげたのに何なのこいつ


てか天才ならアンタが天井直しなさいよ



『じゃあ手伝ってよ、天才なんでしょ？』


グ「え？手伝えって？


やーなこった！オレ様はちょっと雨宿りしてるだけの他人(他モンスター)なんだゾ


ツナ缶も出ないのに、タダ働きするのはゴメンなんだゾ」


『あっそ、じゃあ雨漏り酷いその部屋で待っとけば？


言っとくけど、大事な耳の火が消えても責任取らないから』



未だに煽り笑顔を向けてくる腹立たしい狸にそう吐き捨てて廊下へ出る


一瞬でも同情した私が馬鹿みたい


だけど真っ暗な廊下に一度出たことによって


すぐに頭が冷えていつもの冷静な思考に戻った


何か、出そうな雰囲気でやだな…

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