言葉足らずな私は思いを伝えられないまま猫になりました ページ7
学校に行っても、どうすることも出来ず周りをうろうろしている。
(どうすればいいの…私……)
とりあえず、職員室に行ってみよう。
先生に会いたい。
人に見つかったら追い出されちゃう。
人目を避けて気付かれないように……
(ついた。けど…変。ざわざわしてる？)
「――――さんは、見つかり…」
「…メです。どこに行ったのでしょう」
上手く聞き取れない。
でも、誰かを探してるのはわかる。
と、その時、職員室のドアが開いた。
「おい！なんで猫がここにいるんだ？」
「さぁ？どこから忍び込んだのかしら？」
口々に話している先生の間から一度だけ猫宮先生が姿を見せた。
(先生…！)
気付いてほしくて、おいていかないでほしくて、頑張って声を出す。
『にゃーにゃー』
「お腹がすいてるのかしら？人を怖がらないし、可愛いわね」
「何言ってるんですか！校内に動物は入れちゃダメでしょ！それに僕、動物が苦手なんです」
仕方ないといったふうに、女の先生が手を伸ばしてくる。
(ここまで来たのに、捕まってたまるか！)
猫の体は身軽なもので、すいすいと手を通り抜け、猫宮先生のところにたどり着いた。
「お！先生になついてるみたいですね」
「猫っていう字が入ってるからじゃない」
職員室の雰囲気が少し和む。
猫は不思議な力を持ってるんだな。
「先生、はやくそれをどこかに！！」
それとはなんだ。それとは。
「わかりました。ほら、行こう」
というわけで、連れてこられたのは裏庭。
「にしても本当に人に慣れてるな。本当に野良猫か？」
『にー』
「ははっ、人の言葉がわかるんだな」
先生の笑顔が遠く感じるのは体が小さいせい？それとも――
私をおいて立ち去ろうとする先生。
行かないでと何度も鳴いていると、先生は振り返ってくれた。
「甘えるみたいな声出すなよ。本当に可愛いやつだな」
戻ってきた先生がなでなでと頭を撫でる。
「可愛い」
その言葉が胸に突き刺さる。
(いやいや、先生猫好きだから…猫だと思って言ってるわけで……)
その後も休み時間になれば、愛に来てくれるし、可愛がってくれる先生。
なんだか、猫も悪くない。
でも、これでいいんだっけ？
そもそも、あいつはなんで私を猫にしたの？
思い出さなきゃ…重要な何か……
「機会をあたえてやる」
機会ってなんのだっけ？
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くるみ(プロフ) - MIZOREさん» はじめまして！コメント&応援ありがとうございます。これからも二人でいろんなお話を出していけたらと思ってますので、よろしくお願いします。 (2017年9月13日 18時) (
レス) id: 1b7b0b02d0 (このIDを非表示/違反報告)
MIZORE - 暁さん、くるみさん、はじめまして!とても感動できる内容で、読みやすかったです。更新頑張ってください! (2017年9月13日 18時) (レス) id: a68bb744ad (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 星月夜さん» 心あたたまるコメントをありがとうございます！今後も頑張って二人で更新していこうと思うので、この作品をよろしくお願いします(*- -)(*_ _)ペコリ (2017年9月11日 7時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜 - 短編集なので当たり前なのですが、一つ一つが簡潔に書かれているので読みやすいです！最初のお話は本当に感動しました！ (2017年9月10日 23時) (レス) id: b0ad28a90c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるみ＆暁 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月10日 12時
