儚く散る恋なんて、絶対にしない ページ14
深い海の底を飛び出して、たどり着いたそこは『奇跡』そのものだった。
海とは違う青色の空もキラキラ輝く太陽も風も香りも初めて見るものばかりだった。
想像をはるかに超える光景。
どうしてあの光り輝くものは海よりもずっと上にあるのだろう？
薄い水色のような空というものに浮かぶアレはなんだろう？
この香りは？この感覚は…何？
全てが不思議な『奇跡』の場所。
(ここが、私の探していた……)
子供の様に無邪気に目を輝かせ、水面付近を泳ぎまわる。
(アンジェ様たちが反対ばかりするからどんな危険な場所かと思えば……たいしたことないじゃない。何を怯える必要があるのかしら？)
美しいだけの世界。恐ろしいものなんて何もない。
(ずっと高いところできらきら光ってる……あれが深海を照らしてくれていたんだわ。なんて偉大なんだろう)
海の底では出会えないお魚。
綺麗な貝殻はお土産として持って帰ろう。髪飾りにしたら絶対に可愛いもの。
いろんなものに気をとられては感動する。そのうち、景色に夢中でどこを泳いでいるかもわからなくなった。
でも、そんなのどうだっていい。どうせ、下に泳いで行ったら帰れるんだもの。
それより、あの前方に見える白い場所はなんだろう？
(海がそこで終わってる…海に終わりなんてあったのね)
近付くほど海は浅く透明になっていく。
『あっ…』
とうとう体のほとんどが海の上に出てしまっている。
波に連れられて、近くまで来すぎてしまった。
(どうしよう…人間に見つかれば、私……)
早くアンジェ様のもとへ帰ろう。
そう思った時、海岸に不思議なものを見つけた。
黒の髪。ごつごつした体。筋肉質なのに、ほっそりしてる。
(綺麗……)
目を奪われた。ここにきて一番きれいなものを見つけた気がする。
海岸に横たわる変な生物は、整った顔立ちで惚れ惚れするほど美しい。
(人魚に似てるけど…違うわね)
人魚は陸上に上がらないし、あんな服も着ない。
それに、下半身が魚じゃない。胸もないし…アレはメスなのかどうかも怪しい。
「A！こんな所まできて…早く帰るわよ！」
『アンジェ様！！この世界は素晴らしいで…』
「そんなことどうでもいいの！人間に見つかる前に早く」
『でも、アレ…ボロボロだし、生き物なら助けた方が……』
私が指さしたものを見るとアンジェ様の顔つきが変わった。
「な、んてこと…」
『アンジェ様？』
「あれは人間よ！！」
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くるみ(プロフ) - MIZOREさん» はじめまして！コメント&応援ありがとうございます。これからも二人でいろんなお話を出していけたらと思ってますので、よろしくお願いします。 (2017年9月13日 18時) (
レス) id: 1b7b0b02d0 (このIDを非表示/違反報告)
MIZORE - 暁さん、くるみさん、はじめまして!とても感動できる内容で、読みやすかったです。更新頑張ってください! (2017年9月13日 18時) (レス) id: a68bb744ad (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 星月夜さん» 心あたたまるコメントをありがとうございます！今後も頑張って二人で更新していこうと思うので、この作品をよろしくお願いします(*- -)(*_ _)ペコリ (2017年9月11日 7時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜 - 短編集なので当たり前なのですが、一つ一つが簡潔に書かれているので読みやすいです！最初のお話は本当に感動しました！ (2017年9月10日 23時) (レス) id: b0ad28a90c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるみ＆暁 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月10日 12時
