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意外【攻】【長門奏】 ページ36

「奏〜起きてる〜〜??」
「…寝てまーす、嘘です起きてまーす。開けてどうぞ。」

布団に潜り込み今にも眠ろうとしていた私を引き止める声に、少し怠いなと思いながらも眠気を抑えて声を絞り出す。
声の主はガチャリと音を立てて部屋のドアを開ける。見知った人物で、レボディショナルのリーダーである彼の名は月詠夜牙。夜に牙と書いてよるはと読むらしい。
いつも通り薄ら笑いを浮かべた彼は、今回の戦いの事でだけど、と言葉を漏らす。
あぁ、処罰だろうか。いやまぁ処罰されようが何だろうがいいのだけれど、今日は疲れたからせめて一晩寝させて欲しい。
しかし彼の言葉から出た言葉は私の予想を斜め上ホームランしてしまったので、思わず呆けた顔を晒してしまう。

「今回の奏は処罰無し!」
「…へぇ、無いんですね。」

編み込みも結んだのも解いた髪を弄りながらそう呟く私を見ながら、彼は変わらない表情の声色で言葉を続けた。

「うん、まぁ爆発とか起きたけど、あの瞬間、君自分の糸使って爆発の衝撃を多少防いだでしょ?だから今回は思ったより怪我人も少ないんだよねェ。
だからねー、差し引きしたら処罰無しかな?って思って!奏が気にしてると思って伝えに来たんだァ。」
「おや、糸張ったのは流石に夜牙さんには気付かれましたか。」

張ったといっても切れても問題ない様な、元から名前も知らないガーディア隊員の人との縁を結んだ糸を使ったので、私に対しての被害はほぼ無いに等しいし、まさか処罰も無いとは思っていなかったので、意外だなぁ、と思いながら欠伸をこぼす。

「まぁでも?今回は趣味に走り過ぎてたから気をつけるよーに!」
「えぇ、分かってますよ。
それでは、お休みなさい。」
「はーい、おやすみィー。」

颯様に一発やられたらしい頬にガーゼを張った夜牙さんは、いつも通り最初から最後まで軽快で穏やかな声色で話し終え、ひらひらと片手を振りながら私の部屋を去る。見えないだろうが礼儀は大事なので、私もひらひらと軽く振り返してから、扉を閉め、またベッドにぼふんと沈み込む。
地下シェルターだからだろうか、部屋の温度は低いし、壁も床も冷たいので、体温が残った布団は私を惰眠の底に誘うには充分で、眠気に抗えなくなった私は、そのままゆったりと瞼を下ろした。

罰【守】【夕凪蝶葉】→←会議と決心 【守】 【海月海斗】



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- 更新しました! (2020年3月1日 18時) (レス) id: a0941ce1f9 (このIDを非表示/違反報告)
- お久しぶりです。更新しまーす! (2020年3月1日 17時) (レス) id: a0941ce1f9 (このIDを非表示/違反報告)
しじみごはん(プロフ) - 更新しましたーー!!! (2020年2月23日 11時) (レス) id: a2f3698a22 (このIDを非表示/違反報告)
しじみごはん(プロフ) - 更新します〜〜 (2020年2月23日 10時) (レス) id: a2f3698a22 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶 - 更新しました! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6888f46f20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星蝶 x他3人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年1月4日 12時

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