仁王雅治と平行線 ページ7
仁王雅治と私は、サボり友達みたいなものだった。
別に一緒にサボっていたわけではなく、気が向いた時に屋上に行けば、彼がいるか、後から来るか。
隣に座っても何を話すわけでも無く、ただ黙って空をぼーっと見ていることが多かった。
仁王はもともと掴みどころのないやつだった。
私たちは多分、平行線だったんだと思う。きっと、交わらない。
そんな彼と同窓会で再会した。
「……仁王」
「A？」
思わず声をかけたが、話すことが無くて困っていると、彼が言った。
「Aは今何しちょるん？」
「え、仕事？」
「うん」
「え〜。なんだと思う？」
「さあ。分からん。」
「仁王は何してるの？」
「秘密じゃ。」
ああ。そうだった。こんな感じだった。
お互いに自分のことは話さない。
こんな微妙な距離感だった。
「仁王は、二次会どうするの？」
「お
「……帰る。」
「友達、おらんのか…。まあ、俺も帰るつもりじゃけどな。」
「仁王！Aちゃん！お前ら二次会どうする？」
「私は帰ります。」
「俺も。」
「え！？お前ら、二人とも帰んのかよ！？華が！華が丸井しかいなくなるじゃねえか！」
「ちょっと、富井！あんたそれどういう意味よ！？」
「わ、わ、悪かったって。」
「帰るか。」
「仁王ってどこ住んでんの？」
「……やっぱり、どっか違うとこで飲み直そう。」
「え？」
なんで、仁王と二人で飲んでんだ。
「仁王。ここってアンタがよく行くとこ？」
「さあな。」
「仁王くんはここの常連ですよ。」
「あ、そうなんですか。」
「………合田さん……。」
「あ、言っちゃいけませんでした？」
合田さんはこの店を経営している方で、仁王のことをよく知っていた。
「あ。そうそう。この前ね、仁王くんが言ってたんですよ。中学時代に気になってた子がいたんだ、ってね。その子と今度の同窓会で会うだろうけど、気まずくならないだろうかとか言って、必死に話しかける内容、考えてましたよ。『今、何の仕事をしてるか』とかあった気がするな…って、え！？Aさん！？」
仁王が席を外している間に合田さんが話をしてくれていた。突然、泣き始めた私に、合田さんはオロオロしていた。
平行線じゃ、なかった。
ちゃんと、交わった。
仁王が席に戻ってきたら、なんて言ってやろう。そう思いながら、合田さんが出してくれたティッシュで盛大に鼻をかんだ。
ーーーー
これはハッピーエンドにしました。
仁王と両片思いです。
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あぷりこっと☆(プロフ) - ありがとうございます！続編の方も更新頑張りますね…！ (2019年10月24日 18時) (
レス) id: 280df3197c (このIDを非表示/違反報告)
megumi(プロフ) - こんにちは！文章がとても上手くて、流れも良くて、楽しいお話でした(^^)ありがとうございます！ (2019年10月21日 17時) (レス) id: 9eccfaa3b5 (このIDを非表示/違反報告)
あぷりこっと☆ - かえでさん» お久しぶりです！続編を遂に出すことができて本当に嬉しいです。はじめてコメント、リクエストをしてくださったかえでさんのお陰でここまで来れました。本当に感謝しています！これからも未熟なあぷりこっと☆をよろしくお願いします…！ (2019年9月13日 21時) (レス) id: 280df3197c (このIDを非表示/違反報告)
かえで - あぷりこっと☆さん» お久しぶりです！続編出るんですね！待ってました！これからも頑張ってください！！ (2019年9月12日 17時) (レス) id: ac6f89e4bc (このIDを非表示/違反報告)
あぷりこっと☆ - みかんですねんさん» 駄作ですみません汗 更新は遅いですがこれからもゆっくり頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2019年9月12日 17時) (レス) id: 280df3197c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あぷりこっと☆ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/apricotstar/
作成日時：2019年5月23日 1時
