【短編集】君に永遠の愛を囁く

俺がやる！〈手塚&リョーガ&謙也〉(★) ページ45

「浪速のスピードスターの出番っちゅー話やな！」

「いや、ここは当てた本人が行くべきだろ？」

「いや、俺が行こう。彼女はうちの部員だ」


えーっと

どうしてこうなったんだろう

私より大分背が高い3人に取り囲まれ、なんだかイジメでも受けているような気持ちになる

リョーガさんのボールが当たったことは確かだけれども、そこまで強いボールが当たったわけでもないし、何より青学でマネージャーをやっている私にとって、(レギュラー陣は滅多にないけれど)ボールが当たるなんてことは日常茶飯事だ

それなのになぜ、いつもは冷静な手塚部長まで加わって、誰が医務室に連れて行くかで言い合いをしているのだろう


「あの、本当に全然痛くないですし、行くにしても一人で行けるんですが…！」

「いや、自分、こんなかわええのに、傷でも残ったらどないすんねん！いち早く連れて行くべきや！俺がAを背負って走ればええ！」

「ボールをぶつけちまったのは俺だぜ？傷が残ったら俺が責任取るって！」

「いや、他校に迷惑をかけるわけにはいかない。忍足は練習に励んでくれ。俺が行こう」




あの………

謙也さん、傷とかどこにも無いですし、言い合いをしている時点でもうスピード関係ないんでは…？

リョーガさん、ボールぶつけたって言っても大したことないですから、そんな重く捉えないでくれませんか…？

手塚部長、他校に迷惑をかけたくないとは言いますがもうすでに騒ぎになってて関係無くなってますけど…？


このままでは、医務室に行くどころか、彼らの練習に支障を出しかねない


「分かりました！分かりましたから！3人で行きましょう！」


というか、なぜみんな医務室へ行きたがるのだろう

医務室に美人な人がいたとか？

いやいや、ここは男子ばかりの、暑苦し…くはない(なぜ？)合宿所である

何かあそこに魅力的なものがあったとも思えなくて首を捻っていると、おさまりかけていたはずの論争が再開してしまった

今度は何だと耳を傾ける


「いや俺が背負うって最初から言うてたやん！」

「体は俺が一番デカい」

「そこまで、うちの部員のことをしてもらうわけにはいかない。俺が背負おう」


…もういいです……！


謙也LOVEさんリクエストありがとうございます

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