柳蓮二と苦いお酒 ページ16
「ねえ、蓮二。」
「なんだ。」
久しぶりに2人で飲まないかと誘いを受けたのが、今日の夕方。
私も久しぶりに、会って話をしたいと思っていたところだったから、迷わずOKし、慌てて仕事を片付けた。
指定したのは、大学時代によく二人で行っていた居酒屋。
「蓮二ってさ、高校のときにさ、好きな人っていた？」
「は？」
柳蓮二とは中・高と一緒だった。
彼は、勉強面において、私のライバルだった。
図書館で二人で勉強したこともあったし、なんなら、互いの家で勉強したこともあった。
別に、付き合ってる訳じゃなかった。
部活の無い日に、一緒に勉強するライバル…そんな感じだった。
私はこの距離感が割と好きだったから、柳蓮二に恋愛感情を抱いていたけれども、想いを伝えたりしなかった。
多分。蓮二も私のことが好き、だったんだと思う。
彼は、私と話す時だけ、ずっと眼を開けていた。
あえてそのことに触れたことは無かったけれど、多分、それが彼なりの愛情表現、だったのかもしれない。
周りからは、付き合ってるんだとか、両思いなんだけど付き合ってないんだとか、家であんなことやこんなことをしてるんだとか、あることないこと噂された。
互いに、そんなことは気にしていなかったから、付き合おうとか、そんな話をしたことは、ない。
それが私たちの距離感、だった。
だから、今になって訊ねようと思う。
「だーかーらぁー、蓮二は、高校の時、好きな人、いた？」
「……そういうお前はどうなんだ。」
「私？私はいたよ。好きな人。」
「…そうか。」
「知ってると思うけどね、私さー、蓮二のことが好きだったんだよねー。」
「…俺も高校の時は、お前が好きだった。」
「……そう…。」
ちらりと彼の左手の薬指を見る。
「なに？今日は、奥さんにご飯作って貰えなかったの？」
「今日は、高校の同窓会なんだそうだ。」
「ふうん。」
彼がちらりと私の薬指を見る。
「そういうお前は、旦那にご飯を作らないのか。」
「んー？だって、めんどいじゃん？だいたい、あの人、自分で作ってるしぃー」
「A。そのうち、愛想尽かされるぞ。」
「大丈夫〜！今までもこんな感じだったし？」
「俺だったら、1年も一緒に住んでられないな。」
「……ねえ。もしさ、私たちが高校の時に付き合ってたら、今頃、どうなってたと思う？」
彼はそれには答えなかった。
口に含んだお酒は、なぜか少しだけ苦かった。
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柳 Happy birthday!
昨日は乾くんの誕生日でしたね。
おめでとう！
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あぷりこっと☆(プロフ) - ありがとうございます！続編の方も更新頑張りますね…！ (2019年10月24日 18時) (
レス) id: 280df3197c (このIDを非表示/違反報告)
megumi(プロフ) - こんにちは！文章がとても上手くて、流れも良くて、楽しいお話でした(^^)ありがとうございます！ (2019年10月21日 17時) (レス) id: 9eccfaa3b5 (このIDを非表示/違反報告)
あぷりこっと☆ - かえでさん» お久しぶりです！続編を遂に出すことができて本当に嬉しいです。はじめてコメント、リクエストをしてくださったかえでさんのお陰でここまで来れました。本当に感謝しています！これからも未熟なあぷりこっと☆をよろしくお願いします…！ (2019年9月13日 21時) (レス) id: 280df3197c (このIDを非表示/違反報告)
かえで - あぷりこっと☆さん» お久しぶりです！続編出るんですね！待ってました！これからも頑張ってください！！ (2019年9月12日 17時) (レス) id: ac6f89e4bc (このIDを非表示/違反報告)
あぷりこっと☆ - みかんですねんさん» 駄作ですみません汗 更新は遅いですがこれからもゆっくり頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2019年9月12日 17時) (レス) id: 280df3197c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あぷりこっと☆ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/apricotstar/
作成日時：2019年5月23日 1時
