忍足侑士と新たな生活 ページ2
私と忍足侑士の関係は、一言では言い表せないような複雑なものだ。出会いは中学のとき。別に一目惚れをしたわけでもなく、むしろ当時の私は他の女子と同様、それはもう熱烈な跡部様のファンだった。つまり、雌猫だったわけである。ところが同じクラスになったのは忍足侑士という、この歩く変態だった。勿論、侑士だってモテモテだったけれども、私は跡部様が好きだったのだ。
ところがなぜか私はこの忍足侑士とウマが合う。きっかけは、彼の好きな…否、私も彼も好きな恋愛小説だったわけではあるが。それでも腐れ縁というやつで、彼とは3年間ずっと同じクラスだった。
彼との関係が大きく変わったのは、高校を卒業した後だった。さすがMr.ポーカーフェイスと言うべきか、今までそんなそぶりは見せなかったくせに、突然告白してきたのである。どうせなら、卒業式にすれば良いのに…と思ったが、彼によると、気持ちを伝えるつもりはなかったが、どうせもう会わないだろうし…と、堪え切れなくなった気持ちをぶつけたらしい…。当時、まだ跡部様が大好きだった私は勿論、お付き合いは丁重にお断りさせていただいたはずだったのだが、なぜかこう…いまだにグダグダと妙な関係が続いている。彼とは恋人としてするありとあらゆることはしてしまったし、彼の家に歯ブラシも、パジャマも、服も、下着も置いている。だけど、私は彼の恋人じゃないし、家に住んでいるわけでもない。
一体なぜこんなことになっているのか、それは当人である私たちにもわからない。ただ分かっているのは、跡部様を好きだった気持ちが消えてしまったということと、その気持ちが今は忍足侑士に向いているということだった。
そんなある日のことだった。彼の家で洗濯機が壊れたのである。
「A〜！洗濯機壊れてしもたんやけど。」
そういう彼に、私の家から洗濯機を持ち出すことを提案した。彼は喜んでその案を聞き入れた。
「ほんま、もう俺んちにあるもんの半分はお前のもんやなあ。」
「そうだねえ」
「もういっそのことAもウチ来たらええやん」
「え」
彼は私の気持ちに気付いているのだろうか。
「それもいいかもね」
「ほな今月中には荷物持って来いや。」
「随分気がはやいね。」
「Aと住めるん楽しみやからなあ」
彼との関係がまた大きく変化しようとしているような予感に、口元が緩んだ。
ーーーーー
侑士とほのぼのした感じです。
侑士ってこんなんだったかな…
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あぷりこっと☆(プロフ) - ありがとうございます！続編の方も更新頑張りますね…！ (2019年10月24日 18時) (
レス) id: 280df3197c (このIDを非表示/違反報告)
megumi(プロフ) - こんにちは！文章がとても上手くて、流れも良くて、楽しいお話でした(^^)ありがとうございます！ (2019年10月21日 17時) (レス) id: 9eccfaa3b5 (このIDを非表示/違反報告)
あぷりこっと☆ - かえでさん» お久しぶりです！続編を遂に出すことができて本当に嬉しいです。はじめてコメント、リクエストをしてくださったかえでさんのお陰でここまで来れました。本当に感謝しています！これからも未熟なあぷりこっと☆をよろしくお願いします…！ (2019年9月13日 21時) (レス) id: 280df3197c (このIDを非表示/違反報告)
かえで - あぷりこっと☆さん» お久しぶりです！続編出るんですね！待ってました！これからも頑張ってください！！ (2019年9月12日 17時) (レス) id: ac6f89e4bc (このIDを非表示/違反報告)
あぷりこっと☆ - みかんですねんさん» 駄作ですみません汗 更新は遅いですがこれからもゆっくり頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2019年9月12日 17時) (レス) id: 280df3197c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あぷりこっと☆ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/apricotstar/
作成日時：2019年5月23日 1時
