恋人はママちゃん【白】 (ページ40)

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好きな気持ち【貴女 side】ページ40

昨日の事もあって全然眠れなくて、でも仕事はしないといけないから。

いつもより少し早くキッチンに向かい、給仕が余り必要ないサンドイッチを多目に作る。

大皿にサンドイッチを盛り付けラップをし、取皿と飲み物も用意する。

メモ用紙に「少し頭が痛いのですみませんがセルフでお願いします」

と書いてサンドイッチの横に置く。

そしてそのまま部屋に戻りまた布団に潜り込む。

正直、今ラウールと顔を合わせる自信がない。

平静を装える演技力何かないから、あからさまに避けてしまいそうで。

それは多分ラウールを傷付けてしまうだろうから。

取り敢えず今は時間が欲しかった。

少ししてからドアの向こうが騒がしくなり、皆が起きた気配がする。

けれど皆気を使ってくれているのか訪問者は居なかった。

その気遣いがありがたいのに寂しさも感じてしまった。

「我ながらワガママだなぁ…」

玄関が閉まり暫くしてから呟きながら布団から出る。

一応誰も居ない事を確認しながら部屋を出てキッチンに向かえば、テーブルには一人分のサンドイッチと皆からの書き置きが置かれていた。

『無理すんな』とか『大丈夫？夕飯は済ませてくるからゆっくり休んでね』とか誰からか分かりやすいメッセージの中、右隅に小さく『お大事に』と書かれたラウールの文字を見つける。

あんな状態で逃げ出したのにちゃんとメッセージをくれた事が凄く嬉しくて、書き置きをぎゅっと抱き締めた。