恋人はママちゃん【白】 (ページ28)

今日:3 hit、昨日:40 hit、合計:79,974 hit

自覚【ぬいぐるみ・RAUL side】ページ28

皆でリビングに集まって話をしていたら仕事が早く終わったママちゃんが顔を覗かせる。

阿部ちゃんの提案でクイズ大会をする事になって、皆で阿部ちゃんの出すクイズに答える形で対決をした。

ママちゃんはスポーツ関係がちょっと苦手だったけど結構難しい問題もスラスラ答えてて凄いなぁ。

ある程度遊んだ頃にゲーセンに遊びに行っていた康二くんやふっかさんが帰ってきて、何となくクイズ大会から雑談に移行した。

少ししてから思い出したようにふっかさんがママちゃんに何かをプレゼントした。

「こ、これは…!!」

袋を開けたママちゃんはびっくりしたように目を見開く。

「何？」

気になって覗き込めば中には大きな犬のぬいぐるみ。

「ハスキーちゃんだ!!可愛い!!」

ママちゃんは袋から取り出して本当の犬にするように優しく撫でる。

ママちゃんって本当に犬…特にハスキーが大好きなんだなぁ。

「ママちゃんハスキー好きでしょ？」

「絶対喜ぶゆうてふっかさん、ささっと取ってん」

笑顔でそう言うふっかさんに何故かドヤ顔する康二くん。

いいなぁ、俺じゃこんな大きなぬいぐるみ取ってあげられない。

そう考えてたら何でか凄くふっかさんが羨ましく思えた。

でも…。

「ありがとうございます、ふっかさん大好き！」

気持ちが高揚したせいだとは思うけど、ママちゃんがふっかさんに大好きって言った。

その瞬間、何だか分からないけど空気が張り詰めて、俺の胸の中にはモヤモヤが湧き上がってきて。

思わずふっかさんを見れば他の皆もふっかさんに目を向けていた。

「えっと…何かごめん」

ふっかさんは俺の方を見てから頭を下げた。

別にふっかさんが悪い訳じゃないから謝らなくてもいいのに空気を読んで謝ったんだよね、きっと。

でも、俺の中のモヤモヤはまだ晴れない。

一応ふっかさんが謝った事で空気は少し緩和して、そこから更に空気を変えようと佐久間くんが動いた。