恋人はママちゃん【白】 (ページ16)

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「歓迎会もした事だし？俺、Aさんにお願いあるんだけど！」

深澤さんの突然の発言に皆が一気に深澤さんを見る。

「え、そんなに熱い眼差しで見ないでよ、照れるじゃん」

「いいから続き話せよ」

くねくねと動く深澤さんに岩本さんが苦笑いをしながら促す。

「あ、うん。せっかく親睦も深まった事だしさ、呼び方とか変えない？出来たら話し方も砕けて欲しい」

私の方を見ながらそう言うと、その意図を汲み取ったのか向井さんも口を開いた。

「ええな！俺の事は康二って呼んでや、年下やしタメ口でええし」

「あ、俺も〜さっくんて気軽に呼んでよ」

「俺も皆みたいに阿部ちゃんって呼んで？」

「康二くんにさっくんに阿部ちゃん…」

復唱するように呟けば向井さんも佐久間さんも阿部さんも笑顔で頷く。

「俺はふっかで、岩本さんはひーくんにする？」

「え、いやそれは…岩本のままで」

「ホント照は照れ屋だなぁ」

出た、夫婦漫才！なんて向井さんや佐久間さんが冷やかしてる。

「ふっかさんに岩本さん…照さん？」

変えるなら名前にした方がいいかなって思って呼んだら照れながらそれでいいと言われた。

「俺はお好きに」

「だては舘さんやない？しょったは…」

「しょった以外なら名前でも何でもいい」

向井さんて結構何処にでも入って来るよね。

「舘さんと翔太さんでいいですか？」

尋ねたらお二人共頷いてくれた。

「俺は蓮でもめめでも何でもいいよ」

「やだ、めめったら然りげ無く名前で呼ばせようとしてる」

「俺は、えっとラウールって呼び捨てで！」

あ、佐久間さんも神出鬼没だね。

「えっと、めめくんとラウールくん」

目黒さんは頷いてくれたけどラウールさんは首を横に振る。

「呼び捨てじゃないと返事しない」

「ラウール頑固だから本当にそう呼ぶまで返事しないよ」

深澤さんの言葉に他の方も一斉に頷く。

「…ラウール」

「はい！」

出席でも取ってるみたいに元気に返事をされてつい笑ってしまった。

「私もお好きに呼んでください！話し方は直ぐには砕けれないとは思いますが、宜しくお願いします」

改めてした私の挨拶に皆さんもそれぞれ声をかけてくれた。

そうして何とか元に戻った雰囲気の中、楽しい歓迎会は夜更けまで続いたのだった。