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約束の日になり、さっくんが買い物をして先にジェスの家に着いたのを確認してからジェスの部屋のインターホンを押す。
こないだの経験から周りに人が居ない事を確認してから出来るだけ素早く部屋に入る。
「Hi、久しぶりA」
「久しぶり、ジェス。こないだはお世話になりました」
「いいけど…何で逃げるの？」
「その…ラウールが拗ねるから…」
挨拶のキスを避けたらちょっとムッとされたけど、理由を話したら面白そうに笑った。
「ラウール愛されてるね〜」
「そんな事よりさっくん待ってるでしょ？早く中入れてよ」
からかう気満々なジェスを促して部屋の中に入れば、さっくんがキッチンで食材を買い物袋から出していた。
「お待たせ、忘れ物はない？」
持ってきたエプロンを着けながら聞けば、さっくんはドヤ顔でサムズアップしてきた。
「もち、抜かりはないよ！」
「じゃあ始めようか」
「宜しくお願いします！」
さっくんもエプロンをして、ジェスに興味深げに見られながら２人で調理を始めた。
「まずは材料を適度なサイズに切って…」
レシピを見ながら調理を進めるんだけど、さっくんは調理初心者な感じなのでゆっくり時間を掛けて野菜を切ってます。
「焦らなくていいから出来るだけ大きさ揃えてね」
「分かった」
調理は簡単だけど量が量なんでちょっとさっくんは大変そう。
「手伝ってもいい？」
「…お願いします」
さっくんの許可を貰ってさっくんの切る分を除けた残りを別のまな板で切る。
暇そうにスマホを見ていたジェスが何か気付いたように聞いてきた。
「かなりの量出来る？」
「そうだね、最低10人前は必要だし」
「ん〜なら試食要員で慎太郎呼ぼっか」
１番食うし〜と言いながらジェスはスマホを操作しだした。
多分私とラウールを気遣って森本さんだけ呼んでくれるんだろうな。
ジェスの心遣いを有り難く思いながら、私はさっくんと調理を続けた。
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作者名：氷那 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時：2022年11月22日 0時
