恋人はママちゃん５【白】 (ページ12)

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久しぶりのデート【貴女 side】ページ12

年末が近付くにつれ、ライブや特番の収録等が立て込んでいて大人気アイドルな皆は大忙し。

朝早くに家を出て帰宅は夜遅くな日が続いていて夕食を家で取る人はほぼ居ない為、私は１人で過ごす時間が増えていた。

朝には一応皆の顔は見れるけれど悠長に会話する暇は無い。

せめて家で皆が少しでも安らげるようにといつも以上に朝食や掃除に力を入れるけど、私が皆の為にやれるのはそれ位なのが申し訳ない。

「皆楽屋とかでAの朝食が活力になってるって話してるよ」

そう朝の短い会話でラウールが教えてくれたから、陰ながら応援しようと改めて決意した。

そんな感じだから当然ラウールとのデートも殆ど出来ないんだけど、地方公演へ出発する前日は必ず時間を作ってくれて。

話しながら眠ってもいいようにとラウールの部屋でデートする。

今日も約束の時間にラウールの部屋を訪ねれば寝る準備を終えたラウールが出迎えてくれた。

「いらっしゃい」

「お待たせ」

部屋に入りドアを閉めたと同時に引き寄せられ軽くキスされた。

「えへへ、我慢出来なかった」

悪戯めいた顔で笑うラウールに私は頬が赤くなるのを感じながらも微笑み返す。

「もう、びっくりした」

そう言いつつラウールの背に手を回してぎゅっと抱き着けば、ラウールも優しく抱き返してくれる。

朝に会話とかはあるけどこうしてデートするのは久しぶりだからつい浮かれちゃうのも許して欲しい。

「ふふっ、楽しいな」

ラウールがベッドに座り私を膝に横抱きしてニコニコ笑いながら言う。

「まだ何もしてなくない？」

「Aと一緒に居れるのが楽しくて幸せなの」

問い掛ければそう言って頬擦りしてくる、何この可愛過ぎる子は。

「私も、一緒に居れるの幸せだよ」

そっと頭を撫でながら伝えれば、ラウールは嬉しそうに微笑んでから軽く唇にキスしてきた。

そしてそのまま頬にもキスして、とても自然な流れて耳を軽く食んできた。