■龍太康二 ページ6
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「お前、わざとやろ」
苦笑いの龍太くんの隣に座り込んだ。
「えぇ？何がっすか」
「全部分かってたくせに」
肩をパンっと叩かれたけど、全然痛くなくて、龍太くんは小さな声で「ありがとう」って呟いて膝に顔を埋めた。
Aを呼んだのは、自分自身の晴れ舞台を見ていてほしい気持ちと、こうすれば今まで通りになるんやないかって下心。
別に丈とくっつけたいとか、さよならのきっかけを作りたいとか、そんな綺麗な理由やない。
ごめんな、そんな出来た人間やないねん。
「あいつ俺とおっても全然甘えてこんねん」
「そうなんすか？」
「ドラマの現場とか絶対なんかあったやろ？」
「……」
「ほら。やのに俺には何も言わん。辛いも苦しいも、助けても。甘えてなんてこんねん」
「迷惑かけると思ってたんやろな」
「そやろなぁ。龍太くんも頑張ってるから、って口癖みたいに言っててん。それに、他の奴にも行かへんやろ。あいつのことやから」
唯一の人、誰よりも大事にしなきゃいけない人。
それは、好きに順位をつけること。
それは、自分より優先してしまうこと。
「ほんま不器用っすよね、あいつ」
「ほんまに。はぁ、なんで好きになってしもたんやろ」
きっと誰もが一度は思う。
なんでこんなにも好きになってしまったんやろう、と。
でも、そんなのいくら考えても分からへん。好きやから。好きになってしまったから。出会ってしまったから。
「Aのことよろしくな」
「何言うてんすか。龍太くんも側におってやって下さいよ」
「それはおるけど、お前は東京におるやん。なんだかんだ俺も丈もまだ大阪のが多いし」
「まぁ、そっすねぇ」
「それに、お前やってAおる方がええやろ」
あぁ、こう言うところやろうなぁ。Aが誰かひとりに龍太くんを選んだの。優しくて、優しくて、誰も傷つけない。
俺のこんな汚い心さえ優しく包み込んでくれる。
その温もりに、泣きそうになる。
「龍太くん」
「ん？」
「……や、なんもないわ」
「はは、なんやねん」
ごめんって言うのも違う気がして、俺は何も言えなかった。
.
怒涛の展開だった、、ドームがなかったらこの展開なかったかもしれない。
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パピコ - 大人と大西くんの絡みが見たいです (2020年3月5日 9時) (
レス) id: c96c564d35 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅんすけ - 素敵な文章で一気読みしてしまいました！大人ヒロインちゃんと康二に幸せな未来が訪れますように！！！ (2020年1月6日 6時) (レス) id: 57a24d82e0 (このIDを非表示/違反報告)
ラッコ - えーーー！！！宮近さんとどうなっちゃうのか気になりすぎます！！ありがとうございます！好きですこれからも更新楽しみにしております (2019年12月31日 4時) (レス) id: 5b926bea01 (このIDを非表示/違反報告)
yrniiiii2525(プロフ) - いつもたのしく拝見させていただいています！大人ヒロインちゃんと大吾の絡みがめちゃくちゃ好きだったのでそろそろお近づきになってくれることを願っています！！！ (2019年12月14日 23時) (レス) id: d6c179e51a (このIDを非表示/違反報告)
誉(プロフ) - あべちゃん！！他の人とは違う嫌われ方ですごく良いです！好きです！ (2019年12月10日 0時) (レス) id: 1ecb5a4891 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi
| 作成日時：2019年8月19日 12時
