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土井side
土井「よいしょ、さぁ行こう」
『じ、自分で行けますよ!』
疲れているだろうと、
Aを横抱きにしたら暴れ出した。
土井「いいから、いいから」
『う……はい』
ぐっと力を込めて動きを制すると、
Aは観念して大人しくなった。
『何処まで行くんです?』
土井「もう少し、かな」
裏山を越えて、草木が生い茂る真っ暗な道を抜けた、そこには。
土井「……A、見て」
『うわぁ……』
そこには、満天の星。
Aは目を輝かせ、そしてうっとりとした表情で
空を見上げている。
土井「帰りに見たかもしれないけど」
『全然見てなかった…綺麗……』
土井「本当は、何かプレゼントしようと思って
町まで行ったんだけど」
見回りの時にふと見上げた空。
今にも落ちて来そうな星空を、
Aにプレゼントしたいと思った。
土井「この前満月を見たところだけど、どうしても
見せたくて……というか一緒に見たくて」
少し恥ずかしくて、頰をかく。
『……半助さぁん!ありがとう』
Aの腕が、私の首にぎゅうっと回った。
『大好き、大好き』
土井「私もだよ……いつもありがとう」
私たちは満天の星の下、口付けを交わした。
『それでね、昨日なんて……』
土井「うん、うん」
それから暫く星を見ながら過ごした。
ふたりだけの甘くて幸せな時間。
土井「……A?」
静かだと思ったら、聞こえてきたのはAの寝息。
自分の腕の中で、幸せそうに気持ち良さそうに眠る
Aは愛しくて。
そりゃぁ疲れたよな。
私はAをしっかり抱え直し、山を降りた。
部屋まで戻ってくると、Aを布団に寝かせた。
それにしたって、喜んでくれてよかった。
自分も嬉しくて幸せで満たされた。
土井「ゆっくり、おやすみ」
良い夢を。
私はAを後ろから抱きしめて眠った。
『きゃー!お饅頭ぅう!!』
土井「ええ!?」
朝、Aが飛び跳ねて喜ぶ音で目が覚めた。
……あぁ、そうだ。
枕元に土産の饅頭を置いて寝たんだった。
うん。
饅頭はまた、買ってきてあげよう。

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ムギ(プロフ) - はなさん» 返信ありがとうございます。新作の方も頑張ってくださいね! (2021年4月27日 17時) (レス) id: cb7c3d6633 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ムギさん» ムギさんこんにちは!読んで下さったんですね、ありがとうございます!たぶん限りなく書いていける二人なんですが、これにて終了となりました。本当に思い入れのある作品だし、またどこかで何か書けたらなぁ、とも思っています。コメントありがとうございます!! (2021年4月27日 13時) (レス) id: f70efdef00 (このIDを非表示/違反報告)
ムギ(プロフ) - こんにちは、ムギです。完結おめでとうございます!お疲れ様です!最後まで読ませて頂きました。素晴らしいお話をありがとうございます!とても可愛らしい恋仲の二人にはこれからも幸せに過ごして欲しいと心から思いました…これからも応援しております! (2021年4月25日 16時) (レス) id: cb7c3d6633 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 激辛麻婆豆腐さん» ありがとうございます!私もこの土井先生が好きで、愛を注いで書いていました笑。ノープランで書き始めてここまで続けてこられて、読んでもらえて幸せです。新作も良ければ宜しくお願いします。コメントありがとうございます! (2021年4月22日 13時) (レス) id: f70efdef00 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐(プロフ) - 完結おめでとうございます……!この作品は、毎日更新されてるか確認して見る度に癒されてました…!それぐらい大好きな作品です。新作も楽しみにしてますね!これからも応援してます。 (2021年4月21日 22時) (レス) id: 9e9195f97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2021年1月25日 23時