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利吉side



隠すこともなく、私は苛々していた。



土井先生はAさんが好きなんじゃないのか。
いつも私がいない間に、
Aさんを口説こうとしているじゃないか。




利吉「帰れません、このままじゃ」



『やだ帰りたい眠たい』



利吉「だめです」




やっぱり気になって忍務先の城を出た途端に、
問い詰めようと太い木の枝で立ち止まり
Aさんの腕を引いた。




『利吉く、』



利吉「だから、
  土井先生と何を話していたんです?」




そう真っ直ぐに見つめれば、
Aさんは目を逸らしてしまう。




『別に、なんでも』



利吉「いや、おかしい。
  "想ってるよ、ずっとね"、なーんて言います?!」




しかもAさんの頭を撫でながら!!


そんなんだったら、私だって毎日毎日
Aさんをぎゅーってして寝たい!!




利吉「Aさん、まさか本当に土井先生と……」



『ち、違うの!……それは違うから、信じて』



利吉「……じゃあ何なんです」




きゅっと噛み締めるように、
Aさんは唇をつぐんだ。

そして空いている方の手で
忍装束の胸元を握りしめ、




『あの、お願いがあるの』



利吉「お願い?」



『ひ、引いたりしないで聞いてほしい』




そんな今にも泣き出しそうな顔をされたら、
引くどころか抱きしめたいんですけど。

……なんて心の声は仕舞いつつ。




利吉「もちろんです」





◆◇




『……ごほん』




いや、もう何度目。

よし!って意気込んでは言わない、の繰り返し。




利吉「これだけ引っ張っておいて
  "土井先生のことが好き"なんて言ったら、
  私倒れますからね」




ジト目でAさんを見ると、
わたわたと焦ったように




『そっ、それはない!……んだけど、』



利吉「だけど?」



『……忍が他人と関わるなんて、って思っていたのに。
 もう辛い思いはしたくないのに』




なんとか言葉を紡ぐように
辿々しく自分の想いを伝えるAさんは、

内容はひとまずとも
愛し過ぎて仕方がない。



うん、うんと相槌を打って、
Aさんの言葉を汲み取っていく。




『それなのに、
 わがままな気持ちが出てきて』



利吉「……どんな?」







『利吉くんには……


 

 ずっと、想っていてほしい』

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設定タグ:忍たま , 山田利吉 , RKRN   
作品ジャンル:恋愛
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イリス(プロフ) - 夢主と利吉の関係性も好きだけど、なにより北石さん大好きですwww (2022年12月5日 0時) (レス) @page13 id: af492db464 (このIDを非表示/違反報告)
Saku*no(プロフ) - こんにちはどの作品も利吉さん好き!これからの更新頑張って下さい!! (2022年10月30日 10時) (レス) @page1 id: 39a66916ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2022年10月30日 10時

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