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you side


土井「それはそれは。良い傾向ですね」




うどんを啜っていた土井先生は
あっはは、と笑った。




『良い傾向とは……』



土井「利吉くんは、本当に好きなんですね。
  Aさんのこと」



『分かるように説明をお願いします』




今日は夜に、利吉くんとの仕事が一件。

連絡所へ行くという利吉くんに、
"一緒に行きましょう!"ってお誘いを受けたけれど、
恋人じゃあるまいしお断りした。

駄々をこねる利吉くんを置いて、
私は忍術学園へやって来た。


土井先生に、この心の内を聞いて頂きたくて。
で、私と土井先生は食堂に来ているというわけだ。




土井「良かったじゃないですか。
  利吉くん、女遊びはやめたんでしょう?」



『やめたといっても、私には関係……』



土井「好きなくせに?」



『……や、あ、あの!』




私の心を見透かすような土井先生。

恥ずかしいけれど図星を突かれて、
私は思わず取り乱してしまった。




土井「あはは、可愛いですね」



『好きっていうか、あの……でも』



土井「忍たるもの、
  ごにょごにょ話していてはいけませんよ」




そんな胡散臭い格言、あっただろうか。

だけど今日は、
そのへんを思い切って相談しに来たのだから。




『あのですね、』




私の初恋は、とても苦しい結果に終わった。
今も囚われてしまっているから厄介で。


一緒にいたいと言われれば言われるほど、
利吉くんとの距離感に困ってしまう。


女遊びをやめても
ここにいてと言われても。

利吉くんの私への興味だって、
いつかなくなるとわかっているのに。



私は何を望んでいる?
どんな言葉が欲しいの?



忍として生きてきたから、
今日の友は明日の敵である。
そんなこと、百も承知なのに。

他人と交わることなんてなかったのに。




利吉くんには、



 
『……ずっと、想っていてほしい』




そんなわがままを、
本当は胸に秘めていて。


小さな声だったけれど、
私の言葉に土井先生は優しく微笑んだ。




土井「想ってるよ、ずっとね」




土井先生は腕を伸ばし
すん、と鼻を鳴らす私の頭を撫でた。




『土井、せんせ……、!!』




顔を上げた私の視界には、
土井先生の隣でわなわなと震える利吉くんが。





利吉「まーた口説いてる!!」




そしてものすごくお怒りだ。

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設定タグ:忍たま , 山田利吉 , RKRN   
作品ジャンル:恋愛
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イリス(プロフ) - 夢主と利吉の関係性も好きだけど、なにより北石さん大好きですwww (2022年12月5日 0時) (レス) @page13 id: af492db464 (このIDを非表示/違反報告)
Saku*no(プロフ) - こんにちはどの作品も利吉さん好き!これからの更新頑張って下さい!! (2022年10月30日 10時) (レス) @page1 id: 39a66916ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2022年10月30日 10時

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