【忍たま】利吉くんの好きな人。【山田利吉】

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you side



『美味しい、美味しい』



こんなに美味しい朝食は、
ここ最近食べたことがない。




利吉「わかったから、
　 一口食べるごとに言うのやめてください」




目の前に座る利吉くんは、半ば呆れ顔で私を見ている。




利吉「日頃何食べてるんです」



『朝食は特に食べてない』



利吉「あぁもう、やっぱり私が毎日朝食を」



『あ、いいです』




即座に利吉くんの話を遮った。

つれないなぁ、なんて言う利吉くんを他所に
私は残りのご飯を頬張ると、




土井「隣、良いかい？」



お盆を持った土井先生が、
私たちの机にふらっと現れた。




『土井先生！どうぞどうぞ』



土井「ありがとう。
　 ふたりとも、来ていたんだね」




私の隣に座った土井先生は、
いただきますと合掌すると焼き魚に手を伸ばした。




土井「朝に来るなんて珍しいね」



『そうなんです。少し体調を崩していたので、
　利吉くんが連れてきてくれました』



土井「それは大変だったね……って、利吉くん？」




そういえば全然喋ってない。
利吉くんに目をやってみると……思わずぎょっとした。




利吉「………」




利吉くんがジト目で土井先生を見ている。




土井「ど、どうしたんだい利吉くん」




これいる？と、
土井先生がちくわの煮物を指差したけれど、




利吉「いりません……あのね、土井先生」



土井「な、なんだい？」




口を開いたかと思えば、
利吉くんはずいっと土井先生に詰め寄った。






利吉「……まさかAさんに
　 気があるんじゃぁないでしょうね」





土井「えっ」




利吉くんのまさかの発言に、
私と土井先生は一瞬固まってしまった。

………って、いやいやいや！




『な、何言ってるの利吉くん！すみません土井先生っ』




ほら見てよ、土井先生めっちゃ困ってる！

そう言おうと隣を向くと、土井先生の表情は
ものすごくにこやか……え？！にこやか？！




土井「あはは、利吉くんおもしろいね」




なにも面白くないです。

相変わらず利吉くんは、
土井先生をジト目……いや、これはもう睨んでない？




利吉「何がおもしろいんですか」



土井「いや、感心しているんだよ？
　 利吉くんも嫉妬したりするんだなぁって」




し、嫉妬？！何が？何に？！
私は利吉くんと土井先生の顔を交互に見た。

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