【忍たま】利吉くんの好きな人。【山田利吉】

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利吉くんが倒れて目を覚ました。
せっかく来てくれたのだし、
私は利吉くんを誘って忍術学園にやって来た。


目的はもちろん、食堂の美味しい定食だ。


手早く食事を済ませた利吉くんは席を立ち、




利吉「Aさん、少し待っていてください」



『はいどうぞ』




そう言って食堂から出て行ってしまった。


そうだ、お父様に会いに行くのだろうか。
結局先日は、そのお父様をお見掛けすることもなく
帰ってしまったのだけれど。


……まぁいいや。
私は定食を食べ進めた。







利吉くんがいなくなってからすぐ、
黒い忍装束の男性ふたりが食堂に入ってきた。

体格や顔付きからして生徒ではないし、
よほどの実力者だと見える。




「私は焼肉定食。土井先生は？」



「山田先生は焼肉定食ですか。では私は焼き魚定食を」




焼き魚定食が土井先生。
それから焼肉定食が山田先生。


へぇ………ん？山田先生？
利吉くんのお父様はここで教員を……
それに、どことなく似ているような。




『あっ……！！』




ガタンと椅子から立ち上がって声を上げた私を、
おふたりが同時に見た。




『あ……えーっと』



土井「すみません、貴女は？」




もうやだやだ、そんな目で見ないでください。
何だよ誰だよお前……って、
おふたりとも目が言っています。




『あの、私。AAといいます』



土井「Aさん」



『はい、山田利吉くんに、
　食堂で食事をしに連れてきてもらって……』



山田「利吉に？」



『そうです。……だけど、今さっき食堂から
　出て行ってしまって………』




入り口の方を指差すと、




利吉「あーっ！！父上、見つけましたよ！」




利吉くんが息を切らして飛び込んできた。




山田「利吉！」



利吉「部屋に行ってもいないはずです。
　 食堂に来ていたなんて」




はぁ、と息を吐いて利吉くんは私に視線を向けた。




利吉「Aさん、そんなに見つめられると照れます」



『見つめていません』



利吉「………で、父上。今度の休みは……」




スルーした。スルーした利吉くん。
そ、それより……やっぱり"父上"って！




山田「待て待て、利吉。
　 こちらのお連れさんを放っておくんじゃない」



利吉「あぁ、はい。こちらはAAさん。
　 私のスウィート……」



『知り合いですぅ！』



叫んだ。

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