【忍たま】利吉くんの好きな人。【山田利吉】

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you side



利吉「で、Aさん。どこに行っていたんです」




家に招いたは良いけれど、
利吉くんはさっきからそればっかりだ。




利吉「Aさん、だんまりは良くないです」



『いや、だから私ら忍者。
　そういうの聞いちゃだめでしょ？』




例えそれが家族であっても言わない、聞かない。
なのに何度言っても何度も聞いてくる。




利吉「言ったでしょう？私はいつだって
　 Aさんの無事を願っているって」



『それはありがとう。……ごくん』



利吉「お茶飲んでないで聞いてください」




あ、湯呑み取られた。


湯呑みを端に置いた利吉くんは、私の傍に座り直した。




利吉「だからね、Aさん」



『うん』



利吉「私は寂しかったんです」



『嘘つけ』




どうして私に会わないからって寂しいの。
いや、だからどうしていつも私に構うの。

利吉くんみたいな、
いわゆる完璧！みたいな男の人が。




利吉「嘘じゃないのに」




利吉くんが距離を詰めてくる。
私と利吉くんは、ほぼくっついた状態で。


ぐぐっと見つめられて、
近いなぁ……おかげで私の視界は利吉くんのみだ。

　

　
『……だって、私なんかに会えなくて寂しいなんて』



利吉「寂しかったです。
　 ……それに、"私なんか"って言わないで」




するり、

利吉くんは私の下ろした髪を一房掴んだ。




『………』



利吉「……何考えてるんですか」



『え、ううん別に』



利吉「ちなみに私の頭は、
　 Aさんのことでいっぱいですよ」



『いや、もっと他のことでいっぱいにした方が良いよ』




とりあえず私のことは、
考えなくて良いランキング上位に食い込むと思うし。




すると利吉くんはぷうっと頬を膨らませた。
いつもきりっとして格好良いイメージだったから、
そんな可愛いこともするんだ。




利吉「それはそうとAさん」




利吉くんはひとつ咳払いをして、
ただでさえ近いこの距離をさらに詰めてきた。




『何ですか利吉くん』



利吉「こんなに至近距離にいるんですけど、
　 どうですか？」



『どうって………ほっぺ膨らませて可愛いね』




ぷに、と利吉くんの頬を突いた。
意外と柔らか………





利吉「ぐ、はっ………！！」



『わわわわ！』





利吉くんが倒れた。

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