覚めないで ページ18
you side
薄暗い火薬庫。
重なった唇。
ねぇ、夢なら覚めないでほしい。
『ん……』
兵助「……好きって、本当?」
『ごめん、前から……もうやだ恥ずかしい』
兵助「謝らないでくれよ。その、嬉しい……」
恥ずかしくて両手で顔を覆うけれど、
すぐにその両手は久々知くんに掴まれて。
兵助「ここは薄暗いから……顔よく見せて」
薄暗くても、もう鼻の先が触れるほど近いんだもん。その綺麗な目も長いまつげも、ばっちり見えてるよ。
兵助「ちなみに俺、もう止められそうにないんだ」
『何が……わっ』
しゅる、と頭巾が外される。
壁に両手を押さえ付けられ、
久々知くんの唇が私の首元に触れた。
『あ、やっ……』
ぞくっとする初めての感覚。
ぼっと火がつく様に身体が熱くなる。
兵助「ん……可愛すぎるんだけど」
『やだ、わかんない』
兵助「ごめん、我慢できない」
そう言って、口付けて。
ぬるりとした感触と一緒に、
久々知くんの舌が私の口内に侵入する。
『あっ……んんっ』
私の舌は久々知くんのそれに捕らえられ、
息ができない。
『んぅ、はっ、……ふ』
何これ……でも、でも、気持ち良い……
『は……はぁ……っ』
唇が離れると、大きく息を吸い込んだ。
兵助「ごめん、苦しかった?」
久々知くんは私の頬に口付ける。
『うん……でも、気持ち良い……あ…』
気持ち良い、とか言う?自分。
めちゃくちゃ恥ずかしい……
兵助「はは、可愛い。可愛い、A。
じゃぁ、もっと気持ち良くなって」
そう言って、久々知くんは私を横抱きにし、
火薬庫奥の板間に私を押し倒した。
兵助「A……、Aって、呼んでいい?」
『え、うん……じゃぁ、兵助……?』
すると久々知くんは、はぁっと息を吐いた。
兵助「………それは、やばい」
豆腐料理を作る割烹着姿の久々知くん
一緒に出掛けるときの久々知くん
そのどれとも違う、初めて見る姿。
あぁ、もう戻れない。
嘘でした、なんて言わないでね。
混乱していた頭が、
一気に桃色に染まってとろけていく。
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はな(プロフ) - ねう。さん» お返事遅くなりました🥲実は自分でもお気に入りの作品なので、読んでもらえて嬉しいです!ねう。様のコメントをきっかけに久々に読み返しました🥹コメントありがとうございます! (2023年1月4日 8時) (レス) id: 1cb0e453a9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - めちゃめちゃ良かったです…泣 昨夜に続き、推し読ませてもらいましたがわんわん泣きました笑 切なくてトキメキやばくて神作品すぎました。。このお話とっても大好きです。推し中々見つからないので幸せでした…。素敵な作品ありがとうございます! (2022年12月18日 11時) (レス) @page43 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
友里(プロフ) - 後ご自身があれば編集パスワード入れてOKです。コメント長くすみませんでしたお返事お待ちしています。 (2021年10月18日 12時) (レス) id: 0851e577c4 (このIDを非表示/違反報告)
友里(プロフ) - こんにちは、私も久々知君大好きでイベント後できたら嬉しいです。もしもご迷惑でしたら申し訳ありません。「https://uranai.nosv.org/u.php/event/edokyo/」「あなたの作品!!」という作品ですやり方画面にペーストに押せば大丈夫と思います。 (2021年10月18日 12時) (レス) id: 0851e577c4 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 飛鳥さん» こんばんは!コメントありがとうございます、励みになります!!見つけてもらえて嬉しいです。本当に自己満足な作品になっていますが、読んで頂けると嬉しいです。更新がんばります! (2021年7月7日 22時) (レス) id: f70efdef00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2021年7月4日 9時