Pretender３

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「ふはっ」


「神ちゃんの笑顔は世界を救うな」


「何言うてんの、ほんまに」


「あー、もお家着いてもうた」


ともが寂しそうにするからさ、
俺も胸がきゅっとなる。


そこに。


うちのアニキとの篤人と、
ともの姉ちゃんの遥ちゃんが、
二人して帰って来た。


きゃっきゃっ、やってて。

妙に、ええ雰囲気やねんなあ。

ひょっとして、ひょっとしたりするん？


「大毅と智洋も今デートの帰りか。
デートか？」


「何言うてんねん！学祭の帰りじゃ、ボケ！」


思いっきり、兄貴にプロレス技かけたったし。


「隠さんでも、遥香は知っとるわ。
安心し」


「うえっ？！まじで？」


ともも、顔面蒼白なってんで。


「両親には内緒にしといてあげる」


「遥姉ちゃんは、やっぱ、話が分かるな！」


「もお。大ちゃんは昔っから調子がいいわ」


「俺らも、二人のこと、隠しといたるからな！」


どやったったら、


「なんもないっちゅうねん」


篤人にどつかれたし。


けど、カッコつけて、


「今んとこな」


一言、付け足しとってさ。

遥姉ちゃん、ちょっと赤なった。


ともに似てて、めっちゃ別嬪さんやねん。


俺、もしかして、ともと兄弟なってまうんちゃう？


兄弟でWカップルも、ま、ありやな。


俺とともは、それぐらい強い縁で結ばれてるねんな。


なんて、浮かれつつ、家に入ったら。


「大毅、クリスマスの予定、決まったんか？」


玄関でこそっと聞かれた。


「ううん。
ここだけの話な、
どっこも予約出来へんねん。
みんな素早過ぎやろ」


「とろくさい大毅に、
ええこと教えたろか。
おかん、今年のクリスマスはおとんのとこ行くってよ」


「まじでっ？」


「ああ、正月はこっちで家族みんなで過ごしたいし、
クリスマスに東京で、おかんの見たい舞台があるんやとさ」


「ほっ、ほんまに？」


「俺もおかんと東京行ったるから。
智洋といちゃついて過ごせば？」


「篤人っ！
なんちゅうええ兄貴！
いや、お兄様と呼ばせてもらう！」


「あほ、声でかいって！」


「ほんまにありがとうな！」


「やって、どうせ、まだやろ？お前ら」


「くう。
なんで分かってまうん？」

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