Pretender３

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緑side


踊ってると無心になれる。


つい、時間出来ると、
悩み事が頭にでもなく心にでもなく、
ふっと浮かんでくるから。


「神ちゃん、相変わらず、きれっきれや。
その気合の入り方。
明日の本番楽しみやわ」


濱ちゃんに褒められたけど、
邪念を振り切るためなだけやねん。


「じゃあ、今日はこの辺で。お疲れっした」


普段は週一のゆるい活動のサークルやけど、
学祭前の１ケ月だけは、
みんなバイト休んだり、
都合つけて、
毎日のように練習してきた。

その成果は明日、披露出来るはずや。


大毅が俺のダンス見てなんて言うか、
緊張するな・・・


大毅とのんちゃんのフットサルサークルは、
執事メイドカフェとやらをやるらしいて、
今日は遅くまで残って、
準備があるらしい。


それで、流星と二人、
学内のカフェで時間潰す事に。


甘い飲み物とポテト。


「神ちゃんさ、しげとの事で悩み事あるやろ？
言うてみ？」


「な、な、何言うてん」


あかん、隠すん、我ながら下手過ぎ。


「分かった。
しげが草食過ぎて悩んでんねやろ？
二人、まだなんやろ？」


流星があんまりはっきり言うから！


「流星！学校やで！」


思わず、きょよきょろ辺り見回してしもたって！


「こんな遅い時間帯やし、俺らだけやって。
悩んでる事あるなら教えてや。友達やん」


「う、うん・・・
流星はさ、のんちゃんの彼氏の立場なわけやろ？」


「まあな」


「じゃあ、彼氏側の意見を聞かせてもらえたら、
嬉しいねんけど・・・」


「ええよ。
男なんか大体考えてる事なんか一緒やしな」


だいは特殊な気もするけど、
流星しか相談出来る相手おらんし。


「俺な、２回も断ってしもてん。
いや、最初の入れたら、３回。
呆れられてると思う？
もう俺の事、とっくに嫌になったかな？」


「なんで断ったん？怖かった？」


「怖かったんもあるし、それにさ。
お互いの部屋やと、家族おるしさ。
気になってしもて、そわそわするねん。
それで、やめてって言うてしもた」


「そっか。
しげはなんて？」


「俺が嫌なら我慢するって」


「痩せ我慢やな」


「流星なら、もう嫌になる？
女の子のとこ行く？」

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