Pretender３

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赤side


こうなってしまったんは、
完全に俺のせいよな。

夏休みの終わりがけ。


９月のある日に。


花屋のバイトで吉田さんが足に怪我してさ、
中間オーナーに家まで送ってやってて、頼まれて。

断られへんかって。


部屋まで送ったんがまずかった。


迫られて、断ったら、
吉田さん、ぼろっぼろに泣き出して。


俺、慰める事も出来ずに、
帰って来てしもた。


その事件が決定打になったんやと思う。



課題の発表は来週の月曜。

もう３日しかない。


金曜、後期初日の日は、

お互いサークル休んで、
急遽、動画撮り直しして。


昨日の土曜も今日の日曜も、

俺んちに集合して、
拝み倒して、兄貴のパソコンを借りて、
編集作業と、
レジュメ作りに明け暮れてた。


やっつけ仕事でA評価には程遠そうやけど、
とりあえずは出来上がって、ほっとしてる。


「ふわあ！何とか出来たな！とも！」


「うん。
ほんまに良かった・・・」


「俺、終わった思た。
来年もこの講義取るんかあって目の前真っ暗やったわ」


「だいのおかげやで。
めっちゃ頑張ってくれたやん」


「いや、元々は俺のせいやし」


そういや、
俺の部屋にともが来るって、久々やな。


高３の冬休み、一緒に勉強したんが最後や。


「なあ、だい。
吉田さんと何があったん？」


「とも、ごめんな？
みんなに色々言われて傷付いたやろ？」


「それはだいもやん！
みんな好き勝手言うてさ。
吉田さんの言葉、鵜呑みにして。
二股とか、その、一回きりで捨てたとか」


「ほんま、あんな嘘、よう思い付くよな。
小説家なれそうやな、あの子」


「だい、はぐらかさんと教えてや」


ともの追及はなかなか手強い。


「吉田さんのプライド傷付けたんやと思うわ。
フットサルの時さ、
俺がともを追っかけたから・・・」


「それだけちゃうやろ？
なんで隠し事するん？
俺、俺な、吉田さんに言われてん。
だいと、その、カラダの関係持ったって感じの事」


「はあ？
あの子、ほんま虚言が過ぎるな」


「勿論、信じてへんで？
けど、吉田さんがあっこまで言うからには、
何かあったんかなて・・・」


俯いた、ともの横顔。

伏せた瞳が綺麗や。

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