Pretender３

５ ページ20

「当たり前やん」


「じゃあなんで赤いん？」


「それは・・・」


「分かった！
彼氏二人がえっちな話しとったんやろ！」


「のんちゃん！声でかいって！」


慌てて、しいってする。


「話しとったんあっちやのに、
なんで神ちゃんが照れるん？」


「やって・・・」


「神ちゃん、可愛いなあ。
けど、神ちゃんも考えた事あるやろ？
いつかはしげとハートって！」


「ハート・・・」


・・・考えた事ない言うたら嘘になるけどさ。


正直、もっともっと先の話かと思うてた。

はるか先、なんなら、一年後とか。


男同士やし、それに、まだキス出来たばっかりやし。


しげは考えた事あるんかな。

まさか。

キスさえ、一生してくれなさそうやったやん。


流星が勝手にアドバイスしてただけに決まってるよな。










盛り上がって、楽しくて、
時間あっという間に経ってた。


友達ってええもんやな・・・


２１時過ぎになって。


「今日はお邪魔しました」

「ほんなら、また図書館でな！」


玄関先で、俺とだいが挨拶したけど、
流星は一向に靴履く気配ない。


「流星は帰らんの？」


だいが聞いたら。


「しげ、あほなん？
望の家族、今日おらんねんで？
泊まるに決まってるやん」


流星が当然のように答えたら、
のんちゃんが真っ赤っかんなって。

それで悟って、
照れてきた。


だいもおんなじみたい。

そんくせさ。


「不良やあ」


中学生みたいな悪態ついてるねんな。



マンション出て、
二人きりになった途端に、
更なる照れが襲ってきた。


意識し過ぎて、どうしよう。


だいの方、見られへんし。


「なあ、とも。
キッチンでの話、気にせんとってな」


「・・・気にせんっていう方が無理やもん」


「・・・あれは、流星が勝手にアドバイスしてきただけで！」


そう言われると、悲しい。

俺、勝手やな・・・


「そっか。
だいがそんなん考えるわけないよな。
まして、男の俺と・・・」


「ちゃうねんって！」


「何がちゃうん？」


「そら、いつかは、
ともとシたいに決まってるやん！
好きな子やもん！
そんで、流星に色々教えてもらってん。
ともは、その、考えた事あるん？」

６→←４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す