2 My secret is …… ページ41
「それで…付き合うことに、なりました」
教室の中、小さな声で頬を赤らめながら報告する彼女に自然と頬が緩むのを感じる。
今では“親友”と呼ぶことができない程の親密さだったAとは、彼女の恋を通して随分仲良くなることができたと思う。
「ふーん、良かったじゃん」
屋上で彼女を見送った次の日、つまり今日。
私はAから一学年下の後輩と付き合うことになったと報告を受けていた。
「うん…菜穂のお陰だよ。
ありがとう」
ふわっと微笑んだAに少し驚いた。
今まで、Aはどちらかというとクールな雰囲気でこんな風に笑うことは滅多になかった。
彼氏ができて一日でこんなに変わるのか、と思う一方、Aが幸せそうにしていることに安堵した。
「菜穂はさ…どうなの?」
「えっ?」
急に話が変わったことで内容をきちんと把握できないでいると、Aは周りを見渡して少し小さな声で言った。
「相模くんと」
あぁ。
「んー相模はねぇ」
すっかりAに相模への想いを暴露したことを忘れていた。
その場では冗談のように緩く言ったが、本気たったことはAにはお見通しだったのだろう。
「相模は……」
「ん?俺がどうかした?」
名前を出して言おうとしたとき、耳が良いのか自分の名前を聞きつけた相模がこちらを向いた。
話していた女子にごめん、と言ってそのままゆっくりとこっちに向かって歩いてくる。
相模が一歩踏み出すごとに心臓がばくばくと音を立てる。
それを悟らせないよう、必死に笑顔を貼り付けて彼の方を向いた。
「相模って犬っぼいよねーってはなしー!」
ケラケラ笑いながら言うと、相模は拗ねたようになんだよそれ、と頬を膨らませた。
きゅんと高鳴ってしまう心臓を抑えて、
いつものように軽口を叩きながら視線をずらすと、
さっきまで相模と一緒にいた女子グループに睨まれているのがわかる。
嫌だよね。
その気持ち、死ぬほどわかる。
「相模は、」
でもね
Aと相模にだけ聞こえるように小さな声でこっそりと言う。
「彼氏、だから」
絶対、譲らないよ
お前っ、と慌てる相模に笑顔を返してから、
驚きに目を丸くしているAの方を向く。
そして、さっきのAのように微笑んで言った。
「内緒にしてて、ごめんね」
私、相模のためなら
『イケメン大好きな女子』
にだって擬態できるんだ
3 再会 side:IKUYA→←1 Which took my first kiss?
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まいまい☆ - トキヤloveさん» お返事遅くなってしまって申し訳ありません。リクエスト、ありがとうございます!とても助かります。今書いているside:IKUYAシリーズが終わり次第、書かせて頂こうと思います! (2019年9月29日 18時) (レス) id: e4e68df0f1 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - まいまい☆さん» こんばんは お疲れ様です。続き気になります。主人公が郁弥に、頬っぺたにキスしてほしいです。郁弥が、主人公に名前で呼んで欲しくて、壁ドンして、ほしいです。主人公も、お返しに、いつもドキドキさせられて、ばっかりだから、頬っぺたにキスしてほしいです。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: e59d869c74 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい☆ - 凛大好きさん» こんばんは、お久しぶりです。コメント、ありがとうございます。頑張りますね! (2019年9月25日 23時) (レス) id: e4e68df0f1 (このIDを非表示/違反報告)
凛大好き(プロフ) - まいまい☆さん» こんばんは お久しぶりです。更新ありがとうございます。続き気になります。頑張って下さい。 (2019年9月25日 23時) (レス) id: 666c266cdc (このIDを非表示/違反報告)
まいまい☆ - トキヤloveさん» 沢山のリクエスト、ありがとうございます!ポッキーゲームとクリスマスは前作でやらせて頂いたので、とりあえず郁弥sideのものを書かせて頂きますね!他のリクエストが来なかったり、話が余ったりしたら最初の二つも書かせて頂きます。 (2019年9月16日 20時) (レス) id: e4e68df0f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まいまい☆ | 作成日時:2019年7月30日 18時