７ ページ7
次の瞬間、何が起こったのか理解できなかった。
きゃあああ！という悲鳴と、ドーンという大きな音、ガシャーンという何かが壊れるような音。
そして、私の体に走る大きな衝撃、鈍痛。
全身が痛かった。何かに打ち付けられたように、じんわりと痛みがやってきた。
その痛みに耐えながら、私が必死に目を開けると。
キ「大丈夫ですか！？」
大好きな推しの顔と、天井が見えた。
『キヨ…？』
よく分からないけど、頭がぼんやりするし、これは夢かもしれない。
救急車！という声と、私の名前を呼ぶハルの声を聞きながら、私はそっと意識を手放した。
―――不慮の事故だったらしい。
キヨの真上にあった照明が、突然落ちてきた。
キヨはそれに素早く気付いて避けようとしたが、バランスを崩してステージから落下。
普通ならそのまま床に打ち付けられて、彼が怪我か、下手したらもっと酷いことになっていたかだったけれど、運良く？運悪く？私がすぐ近くに立っていたおかげで、キヨは私の上に落下したらしい。
細身とはいえ、182cmの男性がまあまあな高さから自分の上に落ちてきた私は耐えられず、そのまま床に打ち付けられた。頭を打ってしまったせいで、意識がなかった。
―――と言っても、なんと身体の丈夫なこと。救急車で運ばれたものの、私は軽い脳震盪と多少の擦り傷や打撲に、腕の骨折だけで済んだらしい。
ハ「…ということで、気分はいかがですか？」
『待って。私、推しに触ったの？』
ハ「触ったというか、落ちてきた」
『どうしよう、今すごく鼻血が出そう』
ハ「元気みたいで良かったわ」
私は救急車で運ばれた数時間後には目を覚ましていたけれど、念の為様子見で入院になった。もちろん、追加の検査も何も異常はなかったけれど。
ハ「明日には退院できるんでしょ？」
『うん。全然元気だもん。むしろ事故とは言え推しに触れたって聞いて、今アドレナリンやばいよ』
ハ「そのアドレナリンで骨くっつくんじゃない？」
『ありえる』
なんて冗談を話しながら、キヨが落ちてきたなんて夢みたいだな〜と考えて…ん？ 落ちてきた？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 177人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みやこ(プロフ) - きょちゃちゃさん» きょちゃちゃ様、コメントありがとうございます( ¨̮ )不定期更新にはなりますが頑張ります！楽しんでお読み頂けると幸いです☺︎︎︎︎ (2022年12月17日 23時) (
レス) id: 49dadc6dbe (このIDを非表示/違反報告)
きょちゃちゃ - んんっ...続きがめっちゃ気になります...！更新楽しみにまってます！ (2022年12月9日 9時) (レス) @page22 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みやこ | 作成日時：2022年10月7日 14時
