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story 25 〜past〜 ページ26

後日、私はキヨくんに恋愛禁止を言い渡されたことを伝えた。



キヨくんは何も言えないまま目を見開いていた。



そりゃそうだ。つい先日まで"遠距離になっても頑張ろうね"だとか"俺が東京の大学に行けば近くにいられるかな"なんて話してたんだから。





キ「それって、別れるってこと…?」



"恋愛禁止"。それは遠回しに別れることを意味していた。




『……ごめんなさい』



キ「なんで? この前までAが忙しくなっても寂しくならないように色々工夫しようなって話してたじゃん。俺別れたくない」



『キヨくん…』




私も別れたくないと言いたかった。



でも言えなかった。




手を離すと決めたのは私だったから。




キ「ごめん…Aの夢を応援したい気持ちもあるけど、ちょっと受け入れられねえ。……少し時間ちょうだい」



『キヨくん』




そう言って、キヨくんはそっとその場から去っていった。



その背中が悲しげに丸まっていて、いつもよりも身長が低く見えて、追いかけられなかった。



いや、追いかけたところで何か言えるわけじゃない。




私はそのまま家に帰って真っ直ぐ自分の部屋に戻ると、布団にうずくまって声を押し殺して泣いた。





大切な人と大切な夢。



どちらかしか手に入れられないなんて、神様は酷い。




全部神様のせいにして、私は泣いた。




そんなとき、扉がノックされてお母さんが入ってきた。




母「A、今日キヨくんに話してきたんでしょう?」



私は布団にうずくまったまま、コクリと頷いた。



お母さんは私が泣いていることに気が付いているようで、そっと近付いてきて優しく頭を撫でてくれた。



母「キヨくんは何て?」



『…別れたくないって。一回考えさせてって』



母「そう。そうよね。Aとキヨくんはお母さんでも羨ましいなって思うくらい仲良しだったものね」




昔から聞いていたお母さんの優しい声が、全身に染み渡る。



母「お母さんには夢なんてなかったから、Aの気持ちを理解してあげることは出来ない。

けどね、あんなに大切に思ってるキヨくんと天秤にかけて迷ってるくらいの夢だから、きっとAがキヨくんを諦めて夢を追いかけても、貴方は幸せになれると思う」




優しい、優しい、子守唄のような声だった。




母「この世の中にはそのとき手放したらもう二度と手に入らないものと、またチャンスが巡ってくるものがある。

Aが後悔しない方を選びなさい」

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作品ジャンル:恋愛
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あもも - 初コメ失礼します。100票目頂きました!()凄く面白かったです。kyさんの夢小説はあまり読んだことはないのですが、物凄くよかったです!途中で泣けるシーンもあって感動しました。素敵なお話で読んでいて楽しかったです!*^^* (2022年8月1日 1時) (レス) @page42 id: 79394f6964 (このIDを非表示/違反報告)
みやこ(プロフ) - りんかさん» りんか様、コメントありがとうございます。初めての夢小説ということで、数ある作品の中からこの作品をお選び頂けたこと、大変光栄に思います☺️また別の作品でお会い出来れば幸いです。 (2022年7月28日 16時) (レス) id: 49dadc6dbe (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - ス、すごい、、、初コメと初めてキヨ。さんの夢小説を呼んでみたのですが、こちらの作品が初めてなので新鮮な気持ちになりながら読むことが出来ました!!なんなら途中のところとか気持ち入っちゃって泣きました、、、、笑 (2022年7月19日 3時) (レス) @page42 id: 1914ce7fa9 (このIDを非表示/違反報告)
みやこ(プロフ) - 光希さん» 光希様、コメントありがとうございます☺️楽しんでいただけたようでなによりです!また次の作品もよろしくお願い致します✨ (2022年6月20日 18時) (レス) id: 49dadc6dbe (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - 完結おめでとうございます!読みごたえがあって、全て楽しく読ませていただいておりました。お体にはお気をつけください!次の作品もまた、応援させていただきます。 (2022年6月18日 12時) (レス) @page42 id: a57a548651 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやこ | 作成日時:2022年4月5日 16時

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