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降谷side
「早川くんはどこにいるのかね？
「……石原さん」
石原さん。僕と早川の直属の上司だ。
彼はことある事に早川を呼び出している。
「(……このセクハラ上司め)」
呼び出すのはいいのだが、呼び出された後は必ず早川が「尻を触られた」だの「食事に誘われた」だの文句を言って帰ってくる。
直属の上司だから何も言えないが、セクハラされているのを見過ごすのは胸くそが悪い。
「早川は今、仮眠を取っています」
「そうか、起こしてくる」
「(この上司まじかよ)」
いつもセクハラを見逃している流石の僕も驚く。
到底寝ているのを起こすだけで済むとは思えない。寝込みを襲う可能性だってある。
「私が起こしてきます」
僕は部屋を出ようとする石原さんより先にドアノブに手をかける。
石原さんはあからさまに嫌そうな顔をしたが、「起きたら私の部屋に来るように言っておいてくれ」と言って引き下がった。
「(さて、起こしに行くか)」
僕はそのまま仮眠室へ向かった。
・
・
・
「早川、起きろ」
石原さんが呼んでるぞ。
僕がそう言っても一向に起きる気配がない。
規則正しい寝息を立てて眠っていた。
「(……仕方ないな)」
彼女には100人の彼氏がいる。
しかも、それぞに違う性格で接している。
そんな彼女の苦労なんて計り知れないものなのだろう。
「(ほんと、ムカつくほど綺麗な顔だな)」
寝ている彼女のベッドに腰掛けて顔をのぞき込む。目を瞑っていても整った顔立ちというのが分かる。
「………お前は僕の事をどう思っているんだ？」
僕は早川のことが好きだ。
いつからかは分からない。でも気づいたら早川の本物の笑顔を見ることが僕にとっての幸せになっていた。
"お前の隣でお前の本物の綺麗な笑顔を見たい"
「(そんなこと、今更言えない)」
僕と早川がお互いに酷いことを言い続けていたせいで、恋と気づいたときにはもう、後には引けなくなっていた。
「…………どうやったら、お前の101人目になれるんだ？」
自分で発した言葉が酷く虚しく部屋に響いた。
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なみ - とっても面白いです。更新楽しみに待っています！！続きが楽しみです！ (2019年8月8日 10時) (
レス) id: 0ffda98372 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO - 面白いです！更新待ってます！ (2019年4月14日 21時) (レス) id: 5129f74190 (このIDを非表示/違反報告)
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