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7.6話 ページ45

暗がりの中道中を歩いていると、

肩に重みを感じ心臓が跳ねる。

バクバクと脳に響く音と共に

冷や汗をかくのを感じる。

恐る恐る後ろを振り返ると、

そこには息を切らした下を向く一人の男がいた。



A「も、紅葉野くん?」



栗色の少し癖のある髪で

私はその人であろう名前を呼んだ。

その人は息を整えながら徐々に顔を上げる。



秋「はぁ、はぁ、A。
こんな夜遅くに女の子一人で出歩いて、
何やってるの!?」

A「!?」



ガシッと両肩を捕まれ、

焦った口調で少し怒りが混じったその声に、

思わず肩が跳ねる。


もしかして、心配してわざわざ

来てくれたのかな?



A「あ、えと……ごめんなさい」

秋「あっ。ご、ごめん!
ちょっと強く言っちゃって……」



紅葉野くんは少し申し訳なさそうな顔をする。

まるで大型犬がご主人様に叱られたような

しゅんとした顔。


怒られてるのはこっちなんだけどね。



秋「でも、なんで一人で出て行ったりしたの?」

A「ちょっとそこのコンビニまで」



私がそう言うと、紅葉野くんは

大きく息を吐き安堵する。



秋「良かった。丁度トイレ行ってて、
部屋戻ろうとしたらAが
出ていくの見かけて。
もしこのままA一人だったら
悪い人に連れ去られてるかもしれないよ?」

A「そんなドラマじゃあるまいしw」



こんな私連れ去ったってなんも意味ないから、

逆に連れ去ったその人の方が困る気がする。

いや、その時は「もう貴様なんかに

用はないっ!」とか言って

ドラマみたいに刺されちゃったりするのかな?



秋「世の中何が起こるか分からないんだから。
もう一人で外に出たらダメだよ?
A女の子なんだから。
こういう時は俺……俺達を頼ってね」



雲に隠れていた月が顔を出し

紅葉野くんを照らした。

キラキラと光る髪はさらに明るみを増し、

その笑顔と共に神々しく見えた。



A「う、うん。ありがと……」



私はなんだか少し照れくさくなり顔を逸らす。


イケメンに、月を照らすのは、禁物だ


字余り。



思わず心の俳句を唱えてしまった。





コンビニへと向かい歩を進める。


夜空を見上げふと昨日のことを振り返ってみた。

朝の4時に起きて5時にはコミケの会場へ行き

並んで、本買ってイケメン共にあって、

天気は悪くなり紅葉野くんの家で

泊まることになった、か。


なんか今年の夏休みは波乱万丈だな。




やはりイケメン共に会うとろくなことがない。



気がする………

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設定タグ:オリジナル , イケメン王子 , 夢小説   
作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
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リト(プロフ) - ここまで読んでくださった読者様、本当にありがとうございます!第2作もありますのでよろしくお願いします!! (2020年4月25日 1時) (レス) id: 96d4802982 (このIDを非表示/違反報告)
リト(プロフ) - お気に入り登録者が増えてる! (2020年2月26日 19時) (レス) id: 96d4802982 (このIDを非表示/違反報告)
リト(プロフ) - 表紙描きました! (2020年2月17日 22時) (レス) id: 96d4802982 (このIDを非表示/違反報告)
リト(プロフ) - 今回の話はあなたの(設定された)過去があります。私も主人公と重なる部分がありますね。私の場合、将来何になりたいかですかね。まだ確実には決まっていないんですよ。皆さんはどうですかね? (2020年2月7日 23時) (レス) id: 96d4802982 (このIDを非表示/違反報告)
リト(プロフ) - びびちゃんさん» こんな作品を面白いなんてっ(泣)ありがとうございます!更新頑張れます!! (2020年2月5日 23時) (レス) id: 96d4802982 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リト | 作成日時:2018年12月2日 17時

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