いちずオタクの松村北斗くん (ページ4)

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感情の芽ページ4

Aside

私はしがない女優をやっているAA

今日はありがたいことに紅白歌合戦の審査員に選ばれたので観に来ている
今年演技仕事を始めたばかりで稚拙な演技なのにも関わらず作品に出るたびに話題にしていただきとうとうこんな大仕事にまで選抜されてしまった

女優という一見華やかな職業に就いたものの、私は芝居が好きなだけで基本人前に出るのは苦手なタイプなので正直こういう綺羅びやかな場は得意じゃない

一流アーティストさん達の音楽・パフォーマンスを間近で存分に堪能できる機会だというのに本番が始まってからというもの自分に似つかわしくないような雰囲気による居心地の悪さ・合間合間に私達審査員に求められるコメントに対してのプレッシャーでステージが全然頭に入ってこない状態だった

そんな中、現れたのが “彼” だった

「さぁ！続いてはデビュー時から勢いに乗り続けているアイドルグループ、SixTONES！」
「今回歌って頂くのは片思いの心情をしっとりと歌い上げたバラードソングです」
「「それではお聴きください！」」

ジャニーズ？か...ここ数年デビューしたグループすらイマイチ把握しきれていないな...などとどうでも良いことをぼけーっと考えながらステージをみていた私

だが真ん中に立っていた男性が歌い始めた瞬間、思わず息を呑んでしまった

無意識に心を持っていかれるような甘い表情と歌声

一目惚れに近いような感覚...この感情はなんだろう？

一瞬深く考え込みそうになってしまったが、異性に特別な感情を抱くのが嫌で必死に頭からかき消した