再燃 ページ45
【玲於side】
嘘だ。
俺、ついに幻覚まで見えるようになったんじゃねーの。
バックヤード行って店戻ってきたら
カウンター席に客が増えてて
見覚えのある横顔に、はっとした。
んなわけない、
他人の空似って思ったけど
俺がAちゃんのことを
見間違うはずなくて。
嘘だ、いるわけないって
一生懸命まばたきしてみるけど
やっぱりそこにいるのは彼女で。
そして、目が合った。
息が、とまるかと思った。
ああ、やっぱりAちゃんだ。
冷静にそう思ってる自分がいて
それと裏腹に
今にも止まりそうなくらい心臓が痛くて。
なにしてんの。
会いたくねーんじゃねーの。
ここ来たら、俺いんじゃん。
なのになんで来たの。
色々な言葉が頭を駆け巡って
Aちゃん見つめたまま体が動かない。
そしたら、
『…さの、くん？』
今にも消えそうな声。
その言葉は、
Aちゃんが初めてここに来た時に
俺に言った言葉と同じで。
彼女の声を聞くことも
俺の名前を呼ばれることも
もうないと思ってたから
苦しくて
嬉しくて
切なくて
泣きそうになった。
「お待たせしました。」って別のバーテンダーが2人の前にカクテルを運ぶ。
前も一緒に来た、先輩っぽいおねーさんは
また強そうなショートカクテル頼んでて
Aちゃんは子供っぽいカラフルな色のロンググラス。
あ、ちゃんと学習してんじゃんって思ってたら
俺のことちらっと見て
なんか照れくさそうに笑うから
その笑顔見て、また泣きそうになる。
「玲於、もうあがっていいよ。」
マスターに声をかけられて、「はい」って返事する。
ちょっとほっとしたような
もう少しAちゃんを見てたかったような
複雑な気持ち。
…なに考えてんの、俺。
もう諦めるって決心したじゃん。
むしろ帰れてラッキーじゃん。
なのに、あがっていいって言ってくれたマスターのことちょっと恨めしく思ったりして。
違う違う。
マスターに感謝。
何も考えないようにささって着替えて
「お疲れ様です」って店内を通り抜ける。
出来るだけAちゃんを見ないように。
視界に入れないように。
けど
『佐野くんっ』
ああ
もう、なんで。
『…佐野くん。』
呼び止めないでよ。
なんで呼び止めるんだよ。
『…こっち来て。』
ほんと、この小悪魔は。
.
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りな(プロフ) - はじめまして！久々にすごく引き込まれるお話です！玲於くんと彼女さん、亜嵐くんがどんな答えを出すのかドキドキしてます。更新楽しみにしてます(^^) (2018年6月5日 2時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
くる(プロフ) - ぴなたまごさんこんにちは！久しぶりに更新されてほんとに嬉しいです（ ; ; ）ぴなたまごさんの作品全作読ませていただいているのですが玲於くんファンってこともあって全部好きです！！このお話も大好きなのでこれからも更新たのしみにしてます！頑張ってください！ (2018年6月3日 10時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - やっぱりすごいです、お話に引き込まれます。更新…！嬉しいです。また続きを楽しみに待たせていただきます！ (2018年6月1日 20時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
reona(プロフ) - 更新されてないみたいですが、何かあったのでしょうか？更新楽しみにしてます！ (2017年11月13日 2時) (レス) id: a813d90c31 (このIDを非表示/違反報告)
ももぷりん(プロフ) - 会いに来てください〜！うぇるかむです！大好きですこのお話（ ; ; ）更新来るたび飛び跳ねてます！ぴなたまごさんのお話全作好きです、玲於くんと結ばれたらいいなあ、、 更新楽しみにしてます！がんばってください ！ (2017年8月26日 23時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2017年8月19日 15時
