サヨさんの計らい ページ43
【Aside】
サヨ「久々に見たわね、その顔。」
サヨさんの低い声に、どきりとしながら『えっ』って顔を上げる。
仕事の後に約束してた
2人だけの送別会。
あたしが大好きだからって、会社の近くにあるちょっと高級な焼肉屋さんに連れて来てくれて
よし、今日は食べるぞって意気込んで
ハイペースで平らげて
もうお腹いっぱいっていうサヨさんを横目に
お肉の追加を注文しようとした矢先。
『…えーっと。
食後のアイス食べます？』
サヨ「だめよ、話を逸らしても。」
うっ…
またきた、このパターン。
何を言われるかなんて容易に想像がつく。
面倒見のいい先輩は、最後まであたしの嘘を見逃してくれそうにない。
『違うんですサヨさん。
朝、目が腫れてたのは昨日の晩ちょっとマリッジブルーになったからで…。』
サヨ「嘘ね。」
ぴしゃり、と言い放たれ萎縮する。
今日1日、元気に振舞ってたつもりなのになあ。
サヨ「悲しいわ。
あたしに隠し事したまま退職していくなんて。」
頬杖ついて、悲しそうにため息。
ああもう、ずるいなあサヨさんは。
持っていたメニューを閉じて
背筋を伸ばして深呼吸する。
『あのう…サヨさん、実は、』
サヨ「なにかしら。」
『なんと言いますか、その…
前言ってたお話の続きといいますか。』
サヨ「どの話かわからないわ。」
『…女の悩みの、4つめの話です。』
前に、サヨさんに言われた話。
女の悩みは大きく分けて4つしかないって。
家庭の事情
金銭面
仕事関係
そして、恋愛。
遠くを見てたサヨさんの視線だけが
静かにあたしに移動する。
そして、
サヨ「まあ、大体わかってはいたけど。」
…ですよね。
表情の読み取れない切れ長の瞳に
おずおずと体を縮こまらせていると
サヨ「…まったく。」
そう言ってサヨさんが突然立ち上がった。
サヨ「帰るわよ。」
『えっ。』
お、怒らせちゃった？
ど、どうしよう。
わたわたしてるあたしを見下ろして
サヨさんが上品にため息。
サヨ「もうお腹いっぱいで食べれないわ。
お詫びにあと一杯付き合ってくれる？
それで許してあげる。」
な、なんだ。
そういうことか。
ほっとしながら『はいっ』って荷物を持って立ち上がると
サヨさんが困ったように少しだけ微笑んだ。
サヨ「特別よ。
今日は、かわいい後輩の送別会なんだから。」
.
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りな(プロフ) - はじめまして！久々にすごく引き込まれるお話です！玲於くんと彼女さん、亜嵐くんがどんな答えを出すのかドキドキしてます。更新楽しみにしてます(^^) (2018年6月5日 2時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
くる(プロフ) - ぴなたまごさんこんにちは！久しぶりに更新されてほんとに嬉しいです（ ; ; ）ぴなたまごさんの作品全作読ませていただいているのですが玲於くんファンってこともあって全部好きです！！このお話も大好きなのでこれからも更新たのしみにしてます！頑張ってください！ (2018年6月3日 10時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - やっぱりすごいです、お話に引き込まれます。更新…！嬉しいです。また続きを楽しみに待たせていただきます！ (2018年6月1日 20時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
reona(プロフ) - 更新されてないみたいですが、何かあったのでしょうか？更新楽しみにしてます！ (2017年11月13日 2時) (レス) id: a813d90c31 (このIDを非表示/違反報告)
ももぷりん(プロフ) - 会いに来てください〜！うぇるかむです！大好きですこのお話（ ; ; ）更新来るたび飛び跳ねてます！ぴなたまごさんのお話全作好きです、玲於くんと結ばれたらいいなあ、、 更新楽しみにしてます！がんばってください ！ (2017年8月26日 23時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2017年8月19日 15時
