リグレット ページ34
【Aside】
壊れるんじゃないかと思うくらい
どくん、と
心臓が大きく跳ねた。
何か言わなきゃ。
そう
『違う』って。
なのに、
言葉にしようとすればするほど
声がうまく出ない。
玲於「ほら。なんも言わねんじゃん。」
そんな心を見透かすように
佐野くんがあたしの顔を覗き込む。
玲於「そんなんもう、
肯定してんのと一緒でしょ。」
『…ちが、』
玲於「俺に隠しごとが通用すると思ってんの。」
あたしの腕を掴む
佐野くんの力が少しだけ強くなった。
玲於「そんな顔しといて、何がちがうんだよ。」
『ーーっ、離してっ。』
掴まれてた腕を振り払うと、
その反動でバッグを片手に部屋を飛び出した。
だめ。
これ以上そばにいたら
これ以上触れられてたら、あたし…
玲於「Aちゃん！」
後ろから呼び止められて、
玄関のドアを開けようとする手が止まる。
『…今は、一緒にいたくない。』
佐野くんの顔見たら、
自分の中の何かが崩れてしまいそうで
それだけ絞り出すと
後ろを振り向けないまま、家を飛び出した。
.
『はぁっ、はあっ…。』
そこからずっと走って、
見たことない公園まで出てやっと足を止めた。
走り過ぎて、肺が焼けそうなほど苦しい。
『…なんで、走ってんだろ。』
ばかみたい、あたし。
追いかけてくるわけないのに。
さっきの佐野くんの表情が
頭の中でリピートする。
疼きだす胸の痛みを打ち消すように、ぎゅっと目を瞑った。
あの場所から逃げ出したかった。
少しでも遠くに、そう思って走って
あたしは、…自分の気持ちから逃げた。
『…好きな人いるくせに、
キスなんかしないでよ。』
佐野くんのばか。
もうわけわかんない。
誰もいない夜の公園。
しゃがみこんで膝を抱くと
嗚咽を押し殺すように膝の間に顔を埋めた。
.
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りな(プロフ) - はじめまして！久々にすごく引き込まれるお話です！玲於くんと彼女さん、亜嵐くんがどんな答えを出すのかドキドキしてます。更新楽しみにしてます(^^) (2018年6月5日 2時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
くる(プロフ) - ぴなたまごさんこんにちは！久しぶりに更新されてほんとに嬉しいです（ ; ; ）ぴなたまごさんの作品全作読ませていただいているのですが玲於くんファンってこともあって全部好きです！！このお話も大好きなのでこれからも更新たのしみにしてます！頑張ってください！ (2018年6月3日 10時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - やっぱりすごいです、お話に引き込まれます。更新…！嬉しいです。また続きを楽しみに待たせていただきます！ (2018年6月1日 20時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
reona(プロフ) - 更新されてないみたいですが、何かあったのでしょうか？更新楽しみにしてます！ (2017年11月13日 2時) (レス) id: a813d90c31 (このIDを非表示/違反報告)
ももぷりん(プロフ) - 会いに来てください〜！うぇるかむです！大好きですこのお話（ ; ; ）更新来るたび飛び跳ねてます！ぴなたまごさんのお話全作好きです、玲於くんと結ばれたらいいなあ、、 更新楽しみにしてます！がんばってください ！ (2017年8月26日 23時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2017年8月19日 15時
