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部下の1人が風見に連絡を取る間に、
残りの者がAの前に立ちはだかる。
行く手を阻むかのように。
「失礼ですが、如月Aちゃんですね?」
「えっ、」
「馬鹿っ、A “ さん ” だろっ!」
終話した者が、すぐ様訂正に入る。
「あっ、大変失礼致しました。Aさん、我々と一緒に来て頂けますか?」
「えっ、あ、あのっ、」
自分よりも遥かに長身で屈強な男性2人に、
突然囲まれオロオロと萎縮し始めるA。
「だ、大丈夫です、怪しい者ではありません。私達は降谷さんの部下です。」
「れ、零君..の?」
降谷と言う名前にピクリと反応し、その声の主を見上げる。
「そうです。さぁ、早くこちらに..」
1人がAのスーツケースに手をかけ、やや強引に誘導しようとすると..
「えっ、で、でも。」
いまいち状況が飲み込めないA。
3年前の事故の件で、また呼び出されたんじゃないかとすぐ様思案する。
「...Aさんっ!!」
連絡を受けて、息を切らしながらその場に現れた風見。
途中合流したと思われる仲間も一緒だ。
風見を含め5人のスーツ姿の男達に取り囲まれる
Aは、最早逃げ場など皆無だ。
「か、風見さんっ!」
困惑を隠しきれないAは、彼に救済を求めるかの様に悲痛に彼の名を呼ぶ。
「貴方をびっくりさせてしまって..すみません。我々は全員、降谷さんの部下ですよ。」
申し訳ない、と詫びを入れつつ困ったように笑みを浮かべてみせた。
2人のやり取りを見るなり、間違いなくAだと
確証を得た部下の1人がすぐに架電の準備を始める。
「風見さんっ!降谷さんに連絡入れますね?」
その声に、小さく抗議をする。
「だ、だめぇ!れ、零君に言わないで。」
「あっ、でもですね...」
参ったなぁ、と携帯を構えて固まる部下の1人は
必死で懇願してくるAを優しく見下ろす事しか出来ない。そんな状況下、風見がバッサリと言い切る。
「Aさん、急に日本を発つなんて..しかも誰にも告げないなんて..どうしてそんな事を?」
「ごめんなさい...」
気まずそうに言い淀むA。
俯きかけていた瞳を再び浮上させ、風見を真っ直ぐに見据える。
「もうこれ以上..誰にも迷惑を掛けたくなかったんです。」
「Aさん..」
風見は頭をガシガシとかくと、
「降谷さんといい、Aさんといい..全くあなた方はっ―― 」
次の瞬間、風見はAの細い手首を掴んでいた。
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やっち(プロフ) - 良かったです。すれ違いが凄かったけど最後は結婚出来て良かった! (2022年8月4日 6時) (レス) @page49 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - salomeさん» こんにちは!続編のご希望頂きまして有難う御座います(^^)ゆっくりではありますが、只今準備させて頂いてます♪新作と続編、一旦同時にリリースしたいと思っております(*^ω^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 華花。さん» 初めまして!誤字脱字などお見苦しい点など多々あったにも関わらず、その様に仰って頂き嬉しい限りです(^^)やっぱり自分の好みは中々変えれず、新作も同じ様な雰囲気の作品かもですが宜しくお願い致します(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 星の桜さん» 有難う御座います!最高と言って頂けてとても嬉しいです(^^)短編もご希望頂いて俄然創作意欲が湧きます!只今準備中なのでもう少々お待ち下さいませ(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 完結おめでとうございます出来たら出産の後の2人目の子育てやハロが降谷家に来た話とがいっぱい書いてほしいです (2019年6月6日 13時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポポロン | 作成日時:2019年4月14日 4時