降谷零のイミテーションラブ ページ8
降谷は仕事に全てを捧げる覚悟を持つ男だ。
自分が身を置く警察と言う職種の世界を、その聡い頭で良く理解をしていた。この先実力だけでは、どうこう出来無い場面も多々遭遇するだろう。例えば未だに蔓延る難解な派閥主義や、馬鹿げた身内主義。本人の実力以外で、第三者による裁量で評定される納得いかない人事評価。
しかし厄介なそれらが、自分の味方になったらどうだ？彼の目的や任務遂行に大きな影響を及ぼすのであれば、お見合いと言う選択肢は彼にとって最良最善の策になるかもしれない。いや、なる。
「お偉いさんのお嬢さんだと、降谷君の為になるんでしょ？」
「全く...君は―― 」
降谷の深く吐き出された息。僅かに棘を纏うそれに、どんな意図が見え隠れしているのか？今のAには見当もつきそうに無い。
「いいか？よく聞けよ。僕はもう見合いは受けない。」
「えっ、なん..で、」
「はぁ？分からないのか？この間の件で、見合いはもう終わりだ。」
まだ安心してはならない。そのお嬢さんと、晴れて結婚する可能性がまだある。しかし、何故だろうか？
深く眉間に刻まれたシワは、彼の機嫌を分かりやすくAに教えてくれた。
「それより..」
「あっ、」
いつの間にか、Aの手の甲を這う降谷の太い指先。意味ありげになぞらえる動きに思わず声が溢れた。
「A、」
まるでこの空間だけ綺麗に切り取られたかの如く静で支配された車内。外は惜春の侯による軟風が、今も尚派手な音を演出しつつ忙しなく桜の木々を揺らしている。
「君は本当に馬鹿だな。」
「降谷君？」
Aは降谷から触れられっぱなしの自身の手を
意識しない様に努める事に必死だ。触れられるそこに
力が込められる度、比例し増す熱量。
「..いや、僕か...」
改めて降谷がAの手をしっかりと奪う。
「A、」
もう一度名を呼ぶ声。
その声に欲を含む様な艶やかさが増して行く。
そのどれもが不必要な熱量を生み出す。そう..そんな熱量はAにとって必要でも、彼に必要なのか？
「..付き合って..くれないか」
「...っ！？」
突然告げられるとんでもない懇願。
付き合う？降谷零は月並Aの事を愛しているとでも言ってくれるのか？彼は正気の沙汰か心配になるA。
あぁ..
ほら、まただ。
時々見せる彼のこの表情。目の辺りまで少し伸びた前髪の隙間から、僅かに覗かせる眉尻は頼りなさげに下がっていた。いつもの鋭利な眼光を放つサファイアブルーの瞳でも無い。
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翡翠 - 頑張ってね( ・`ω・´) (2020年6月25日 16時) (
レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃん(プロフ) - 新一が、コナンの時同様に、安室さんと接触していると言う事は、怪しい、イコール、組織の残党？か、何か事件？みたいに、盗聴器発信器を付ける癖がある。多分懲りずに夢主に絡んでききまくり、尋問誘導しまくるね (2020年5月14日 7時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
dear(プロフ) - ポポロンさん» 再度すみません。え、ほんとですか！こちらこそ、もったいないお言葉ありがとうございます！引き続きお話を楽しみさせていただきますね！ (2020年1月25日 16時) (レス) id: 5aa04aa1e9 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - dearさん» はじめまして！じ、実はわたくし『彼氏と本命が再会したようです』のファンなのです！ま、まさかdearさんからコメント頂けるとは嬉しい限りです(^ ^)更新頑張ります！ (2020年1月17日 18時) (レス) id: 1b0c412716 (このIDを非表示/違反報告)
dear(プロフ) - 初コメ失礼します、続編おめでとうございますー！これからの展開もすごい楽しみです。応援してます！ (2020年1月12日 14時) (レス) id: 734805a92b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2020年1月11日 3時
