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「参ったなぁ..いや、そうでもないな。」
一瞬落胆したと思いきや、上機嫌な表情を見せる男性職員。気持ちは痛い程理解出来る。この職務を全うする上で痛感する事。
“ 業務過多 ” 何度心の中でそう呟き、悪態をついて来たか分からない。仕事は何事も納期と言う物がある。限られた時の中でやるべき事の多さ。けれど、早く仕事が片付く事もある。なのに上席の者が帰らないと、部下である下々の者達は帰れる訳など無い。オフィスで働く者達の理不尽な暗黙のルール。
それが、今日は何故か降谷は既に定時で上がりこの場を後にしている。こんなチャンス逃せるか。他の者もA同様、これみよがしに早く帰宅しようと行動があから様だ。
けれどAは、知っている。これは降谷が時々行う彼なりの気遣い。皆が気を使わない様に、一旦帰ったフリをして実は後でこの場に戻って来るか、場所を移し他所で仕事を粛々とこなしている事を。それだけでも、降谷の人柄が偲ばれる。普段は厳しい叱責が多いが、飴と鞭を上手く使い分け、職員達のモチベーションをコントロールする。これは、彼の手腕だと言えよう。
「はぁ、終わった。」
Aは持ち手部分が草臥れたダークブラウンのショルダーバッグにハンドタオルや化粧ポーチを次々に突っ込む。同階のトイレで軽く化粧直しをし、後に訪問予定の東都デパートの高級紳士服売り場に相応しい客に扮しようと必死だ。
そして、問題の新人も今日は不在だ。
降谷零の事が好きだ、と憚ることも無く堂々と明言した新人の愛依。今思い返せば、とんでもない爆弾発言である。今の所は目に付く様な行動は無く真摯に日々の業務に没頭しているようだ。そんな彼女は、今日は風見に連れ出され外に出ている。謹厳実直な彼の仕事ぶりは自己の見識を広げるのに勉強になるだろう。まさにスキルアップには持って来いだ。
「...んっ、」
さほど広くもない化粧室内の鏡の前で、念入りに口元を何度も確認するA。彼女の視線の先は、清艶なまでに魅力的にふっくらとした自身の唇。触れると、今にも甘い蜜が溢れ出しそうなまでの変貌ぶり。
「流石高級ブランドは違うなぁ..」
スワロフスキーのイミテーションを彷彿とさせる、クリスタルの様なデザインとカラーのキャップ。それをひねりながら仕上がり具合に満足する。
某有名ブランドの高級グロス『アディクトリップ、No3 チェリーピンク』。このブランドを支持する者なら知らない筈の無いジンクスがあった。
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翡翠 - 頑張ってね( ・`ω・´) (2020年6月25日 16時) (
レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃん(プロフ) - 新一が、コナンの時同様に、安室さんと接触していると言う事は、怪しい、イコール、組織の残党？か、何か事件？みたいに、盗聴器発信器を付ける癖がある。多分懲りずに夢主に絡んでききまくり、尋問誘導しまくるね (2020年5月14日 7時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
dear(プロフ) - ポポロンさん» 再度すみません。え、ほんとですか！こちらこそ、もったいないお言葉ありがとうございます！引き続きお話を楽しみさせていただきますね！ (2020年1月25日 16時) (レス) id: 5aa04aa1e9 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - dearさん» はじめまして！じ、実はわたくし『彼氏と本命が再会したようです』のファンなのです！ま、まさかdearさんからコメント頂けるとは嬉しい限りです(^ ^)更新頑張ります！ (2020年1月17日 18時) (レス) id: 1b0c412716 (このIDを非表示/違反報告)
dear(プロフ) - 初コメ失礼します、続編おめでとうございますー！これからの展開もすごい楽しみです。応援してます！ (2020年1月12日 14時) (レス) id: 734805a92b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2020年1月11日 3時
