依頼 ページ10
「A、その..」
彼は引き出しから何かを出そうとしていた。
A4サイズくらいの用紙。調査書？
それは定かでは無いが、何か掴んでいるようで。
けれど、中々その先を続けてくれない。
「どうされたんですか？もしかして...
新たな任務とかですか？」
「...」
ほんの少し彼が沈黙を続ける間、パーテーション越しに聞こえる隣のフロアの喧騒に耳を傾けていた。
OA機器の稼働する機械音やキーボードと指が接触する音、せわしく行き交う捜査官の足音、それらは様々だ。皆個々のタスクを処理するのに忙しく働いている証。そんな中、やっと彼の唇が僅かに動く。
「いや..何でも無い。」
雑音と共に吐き出された言葉。
いつもと様子が違う彼に違和感を覚える。
何か言いたげなのに、それをはっきり口に出す事を
躊躇していた。
「私でよければ、承りますが。」
恐らく何か追加の仕事であろうと推測するも、
「..すまない、本当に何でもないんだ。君は気にしなくていいよ。」
しなくても良い謝罪と同時に
薄弱な笑みを浮かべられた。
それは、今にも消えそうな程に。
しかしそれも束の間で、急に変化する空気。
「あぁ、そうだ。君にこれを頼んでもいいかな？」
誤魔化す様に、いつもの調子を装うかの如く切り出される頼み事。そう言って見せられたのは、彼の愛用PCのディスプレイ。誰かとのメールでのやり取りだ。グッと顔を近づけ覗くと、彼がマウスを操作しながら見やすい様にメールを拡大してくれた。
「...こ、懇親会ですか？」
『 両国の捜査官同士、親睦を深めるのが
目的であり.... 』
文章の一部に目を通し直ぐに理解を得ると、
貼りついた目線をディスプレイから隣の上司へと
移した。
「そうだ。本当は佐々木さんに任せようと思ったんだが、彼には今そんな余裕は無くてな。交渉が上手い君が適任かと。」
そんな事を机の上に片肘つけながら説明する姿は、
何故か様になっていて私の心を惹きつけさせる。
彼の優雅な所作は、いちいち胸を煩くさせるのだ。
「私で宜しいのですか？」
1人の部下として上司に頼られる事は本望だ。
素直に嬉しいと思う。
「無理なら他をあたるまでだ。」
「い、いえ！是非私にやらせて下さい。」
「本当にいいのか？Aにそう言って貰えて、
正直助かるよ。すまないな。」
「い、いえ。とんでも無い事です。」
「はっきり言って僕としては不本意だが、上が煩くてな。全く最後まで面倒な奴らだ...FBIは。」
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
