＊ ページ30
「あっ、それ自分も同感ですよ。」
お茶を静かにすすっていた風見も
佐々木に加勢をした。
「だろ？」
「えっ、2人共何言ってるんですか？公私混同って
何ですか！」
「お前らめんどくせぇんだよ、もういいから
早く食えっ！」
「えぇ、ま、待って下さい！た、食べますから！」
今思えば降谷が直属の上司になってからは、確かに潜入捜査の類は激減し、現在では内勤がメインになりつつある。でもそれは、降谷がAの長所だからと認めてくれたものばかりと思っていた。
...まさか、後にあんな事になるなんて。
佐々木の懸念が、少しずつ現実味を帯び始める――
..
降谷にとって久方ぶりの公休。
形式上、お見合いになる為それなりに
身なりに気を配った。普段利用する事の無い
香水やワックスまで引っ張りだして、そんな自分にほくそ笑む。
まさか、こんな格好をAに見られるなんて――
「僕は...どうか..してるのか..」
信号待ち中に車内のルームミラーを調整していると、しっかりヘアーセットした自身が映り込む。
そして、これでもかと自分自身を睨みつけた。
そのまま車で向かった先は、勝手知ったる...
― 今野邸 ―
手入れが行き届いた見事な日本庭園は今も昔も変わっていなかった。車から降り、玄関のチャイムをまだ押せずにいた降谷は、庭園を覗いてみる事にした。
松だけでなく花桃や梅など、数々の植木の見事な枝振り。その繊細さと大胆さは、 立派な純和風の建物に合わない訳が無い。
この広い庭園内には、野鳥も多数飛び交っており
暫く眺めていると、
「零さんっ！」
野鳥に気を取られていたら、懐かしい声で呼ばれる。その刹那、自分の腰まわりに違和感を覚えた。か細い腕がしっかりと腰に巻きついていたのだ。人目もはばからずに。
あぁ、彼女が抱きついたのか――
回転が鈍くなっていた頭は、遅れて理解した。
柔らかで艶やかな黒髪がふわふわと自身の胸元でうごめく。そして、切れ長の美しい目を持つ女性が恐る恐る顔を上げる。
「零..さん..」
女性は自ら降谷を抱きしめた事に対して、応えて欲しいのか、もう一度降谷の名を不安げに呼ぶ。
今にも消え入りそうな声で。
すると、2人の視線がようやく絡み合う。
「愛依....さ..ん」
降谷がそう呼ぶと、この愛依と言う女性は
どこか切なそうな表情を一瞬浮かべた。
聞き慣れない敬称に心を痛めたのだ。
そして...
「零さん、会いたかった。」
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
