＊ ページ13
すっと、邪魔な袖を避けるように腕を少し伸ばすと、現れた自身の腕時計に自然と目がいく。
「もうこんな時間か...腹が減ったな。久しぶりに
みんなで行くか。」
とうの昔に正午は過ぎていた。遅めのランチではあるが、降谷がフロアに残っている者達に声を掛けて行く。それに続く風見。
「やったぁ！降谷さんの奢りっすか！」
「い、行きますっ！」
「みんなで行くの、久しぶりですよね！」
各々作業する手を止め、やりかけのデータを上書き保存をする。デスクに置いていた煙草や財布を急いでズボンに突っ込み出かける準備に取り掛かった。
「全く君達ときたら、人の奢りだと分かると
すこぶる調子が良いな。」
降谷は、やれやれと呆れた口調の筈なのに
何処か嬉しそうだった。
「いやいや、降谷さんが連れて行ってくれる店は
ハズレがないですから。」
「車で少しの所だけど、構わないかい？」
「勿論です！」
佐々木をはじめとする、部下数人が降谷のまわりで騒ぎ出す。いつもは降谷の緊張感が、伝染したかのようにピリピリするフロアが今は和やかだ。
それもその筈。当の降谷本人が穏やかだから。
今は...
「あれっ...」
「どうかしました？」
「あっ、いや。佐々木さん、Aは？さっきまで居たと思うんですが..」
「あぁ、月並なら出ましたよ。多分、FBI側の捜査官の所じゃないっスかね。」
「そうか..なら、仕方ないですね。」
自分が指示出した事を、彼女は遂行しているだけと
言い聞かせる。降谷は、“ 面白くない ” と言う感情を強引に心の隅に追いやった。
今は部下達が喜んでくれれば、それで良かった。
..
黒のニット帽をかぶった大柄な男は、路面に面したこの席に深く座り込み行き交う歩行者をぼんやりと眺めていた。午後の昼下がりとは、実に眠気を誘う誘惑だと実感する。
「....と言う事で、これ以上勝手な行動は駄目ですからね！未申請の方がいらっしゃれば、ちゃんと...」
「...って聞いてないし！赤井さん！」
「んっ、あぁ、ちゃんと聞いているさ。なんだ、
降谷君に叱られたのか。」
ズボンのポケットに手を突っ込み、ある物を
取り出そうとした。
「あっ、駄目！ここ禁煙席だよ！」
ウッドデッキに並べられた大きなガーデンパラソル。絵の具で塗り潰したかの様な群青色の空の下
真っ白なパラソルとのコントラストが艶やかだ。
屋外に併設されたこのカフェは、アフタヌーンティーを楽しむ女性客で埋め尽くされていた。
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
